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「閉店前の在庫」使い切る発注の絞り方と処分先

閉店

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

在庫を減らす手順(流れ)

①
解約予告期間と引き渡し日を確認
→
②
最終営業日を決める
→
③
発注を段階的に絞る
→
④
余りの行き先を決める
→
⑤
最終棚卸し(在庫の数え直し)

食材やお酒の在庫は、閉店の日から逆算して発注を少しずつ絞れば、ほとんど使い切れます。「食材が余ったまま閉めることになったらどうしよう」と不安な方は、先に「いつまでに何を減らすか」を決めてしまいましょう。

最終営業日は、貸主(大家さん)への解約予告期間と引き渡し日から先に決めます。順番は閉店告知の順番|スタッフと大家さん、どちらに先に伝えるべきかも参考にしてください。

縁起のいい日を選びたい方へ

閉店日・引き渡し日の候補を選ぶときは、縁起のいい日カレンダー(月別)も使えます。ただし縁起は気持ちの問題です。日程は、解約予告期間・家賃の発生日・原状回復の工期を優先してください。

1. 発注は「最終営業日の3週間前」から絞る

いきなり発注をゼロにすると、メニューが売り切れだらけになり、お客様の最後の印象が悪くなります。そこで、メニューを絞りながら少しずつ減らします。

下の表は、月の食材仕入れが約60万円(週あたり約15万円)の居酒屋を仮定した例です。あくまで目安で、業態やメニューにより異なります。

時期発注の目安(通常比)週の発注額(仮)
3週間前8割12万円
2週間前6割9万円
最終週4割6万円

3週間の合計は27万円で、通常の45万円より18万円分少なくなります。減らした分は、そのまま「余らせずに済んだ金額」です。

仕入れ業者との契約に最低発注量や解約の決まりがある場合は、先に確認します。くわしくは「仕入れ業者との契約解除」閉店時の未払い精算と違約金対応をご覧ください。

2. 余った在庫の行き先を種類ごとに決める

用語メモ:消費期限と賞味期限

  • 消費期限:安全に食べられる期限
  • 賞味期限:おいしさが保たれる目安の期限(超えても品質が保たれていることがある、と食品表示基準で定義されています)

人に渡すものは、念のため期限内のものにすると安心です。

在庫の種類行き先の候補確認すること
生鮮・冷凍食材最終週のまかない・日替わり/仕入れ業者への返品相談返品できるかは業者との契約次第
乾物・調味料・缶詰フードバンクなどへの寄附/従業員へ譲る受け入れ条件は団体ごとに違う
未開封のお酒仕入れ先に相談/居抜きの買い手に引き継ぐお酒を売る場合は免許が関わる
開栓済みのお酒・使いかけ最終営業日までに使い切る/廃棄持ち帰り用に売るなら免許が必要
消耗品(割りばし・包材など)買い手に引き継ぐ/ほかの店舗へ回す数を数えて一覧にしておく

フードバンクとは、まだ食べられる食品を集めて、福祉施設などに無料で届ける団体のことです。国は2024年12月25日に「食品寄附ガイドライン」を公表しています。団体の全国一覧は農林水産省のページになく、地方農政局ごとの案内になっています。受け入れてもらえる食品の条件は、団体に電話で聞いて確認してください。

3. 譲る・捨てるときの税金と電気の注意

在庫を従業員に安く譲ったり、店主が自分で持ち帰ったりすると、税金の扱いが変わることがあります。くわしくは「閉店の税務」除却損と在庫処分・消費税の注意点で整理しています。

また、冷蔵庫や冷凍庫の電気は、引き渡し日まで切らないのが安全です。止める順番は飲食店の閉店「電気・ガス・水道」止める順番と期限を確認してください。お酒を売る場合の免許の考え方は、バー・スナックの閉店!許可は居抜きで「引き継げない」も参考になります。

4. 最終棚卸しのチェックリスト

  • ☐ 解約予告期間と引き渡し日から最終営業日を決めた
  • ☐ 3週間前から発注額を段階的に下げた
  • ☐ 仕入れ業者の返品・最低発注量の条件を確認した
  • ☐ 期限が近いものを、まかない・日替わりに回した
  • ☐ 譲る・寄附するものは期限内か確認した
  • ☐ 開栓済みのお酒の扱いを決めた
  • ☐ 残った在庫を一覧にして、数と金額を記録した(税務の確認用)
  • ☐ 冷蔵庫・冷凍庫の電気は引き渡し日まで入れておく

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よくある質問

Q. 閉店前に食材が余りそうです。どこかに引き取ってもらえますか。
A. 仕入れ業者への返品相談や、フードバンクへの寄附が考えられます。受け入れ条件は相手ごとに違うので、早めに電話で確認してください。

Q. もう限界で、閉店日までの発注をどうすればいいか分かりません。
A. 最終営業日の3週間前から、通常の8割・6割・4割のように段階的に絞る方法があります。メニューも減らすと、売り切れを防げます。

Q. 開けてしまったお酒は、人にあげたり売ったりしていいですか。
A. 売る場合は酒類の免許が関わるため、税務署への確認が必要です。開栓済みのものは、最終営業日までに使い切るのが無難です。

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