
「閉店後も引き落とし?」飲食店の解約忘れ5つと順番
まず知っておきたい:「営業をやめる」と「契約を終える」は別
「閉店したのに、通帳から毎月お金が引かれている」。閉店後にそんな連絡を受ける店主さんは、実は少なくありません。結論から言うと、営業をやめても契約は自動では終わりません。解約の手続きをしない限り、請求は続くのが原則です。ここでは、うっかり残りやすい5つの契約と、止める順番を整理します。
お店の電気や水道は、止めるのを忘れにくいものです。一方で、月額で少しずつ引き落とされる契約は、存在そのものを忘れがちです。スマホの動画アプリを使わなくなっても、解約しなければ料金がかかり続けるのと同じ仕組みです。
次の表は、見落としやすい契約の例です。契約の有無や中身は店ごとに違うため、あくまで「探すときの目安」としてお使いください。
| 契約の種類 | 閉店後に起きること | 契約書で最初に見る欄 |
|---|---|---|
| ① BGM・有線放送 | 解約しなければ月額が続く | 契約期間、解約の申し出の期限 |
| ② 決済端末・レジ・予約システム | 月額や端末の費用が続く。売上の入金がまだ残っている場合もある | 解約の手続き方法、端末の返却、最後の入金日 |
| ③ グルメサイトなどの掲載・広告 | 掲載料が続く。お店の情報が残ったままになる | 契約期間、更新月、解約の申し出の期限 |
| ④ おしぼり・マットなどのレンタル、浄水器 | レンタル料が続く。設置物の回収日を決める必要がある | 最低契約期間、中途解約の条件、回収の方法 |
| ⑤ 警備・インターネット回線・電話 | 基本料が続く。工事や撤去の立ち会いが必要な場合もある | 工事の有無、撤去の立ち会い、解約日の指定方法 |
契約が「何年更新」「自動更新」と書かれていると、途中で解約すると違約金がかかる場合があります。リース契約のケースは「厨房機器のリース解約」違約金交渉のコツと注意点で詳しく説明しています。
事業用の契約は「やめたい」と言っても自動では戻らない
家庭用の契約なら、一定の期間内に無条件で解約できる「クーリング・オフ」という制度が使える場合があります。しかし、お店の営業のために結ぶ契約は、特定商取引法の適用除外とされるのが原則です。消費者庁のQ&Aは、営業のために結ぶ契約は適用除外になるとしつつ、個々の取引に慣れていないと認められる場合は対象外にならないとも説明しています(出典:訪問販売等の適用除外に関するQ&A|消費者庁 特定商取引法ガイド)。
つまり、「クーリング・オフで何とかなるはず」と考えず、まずは契約書の解約条項を読むのが近道です。解約できるかどうかは、案件ごとの契約内容と事情で変わるため、不安なときは契約先か専門家に確認してください。
止める順番:①〜④のステップ
閉店日を決める
契約を洗い出す
期限と違約金を確認
解約日を指定する
① 閉店日を決める(貸主への解約予告期間が先)
最初に確認するのは、貸主(大家さん)への解約予告期間です。閉店日が決まらないと、各契約の解約日も決められません。確認の仕方は飲食店の「解約予告期間」トラブルと対処法をご覧ください。
閉店日・引き渡し日を決めるときの案内
大安・一粒万倍日・天赦日などは、月別カレンダーで確認できます。
※縁起は気持ちの問題です。日程は、解約予告期間・家賃の発生日・原状回復の工期を優先して決めてください。
② 契約を「通帳とカード明細」から洗い出す
契約書の束から探すより、通帳とクレジットカードの明細で、毎月引き落とされているものを拾うほうが漏れにくくなります。見つけたものは、契約先、月額、契約書の保管場所、解約の窓口を1枚にまとめます。
③ 解約の期限と違約金を確認する
契約書で、「いつまでに申し出れば解約できるか」「途中で解約すると費用がかかるか」を確認します。申し出の期限が閉店日より前に来る契約もあります。取引先との精算の考え方は「仕入れ業者との契約解除」閉店時の未払い精算と違約金対応も参考になります。
④ 解約日は「止めていい日」に合わせて指定する
すべてを最終営業日に止めればよいわけではありません。たとえば、決済端末は最終営業日の売上を受け取るまで必要です。売上の入金口座は、入金が終わるまで閉じないでください。入金の日程は会社ごとに違うため、事前に確認が必要です。警備や回線も、居抜きで店を譲る場合は引き渡し日まで残すのか、買い手が引き継ぐのかを先に決めます。電気・ガス・水道の順番は飲食店の閉店「電気・ガス・水道」止める順番と期限にまとめています。
テナント探し・戦略的な閉店のご相談はこちら
大阪で新しい出店先をお探しの飲食店様、計画的な移転・閉店・居抜き売却をご検討中の飲食店様、どちらのご相談も株式会社不動産スペースへお気軽にお問い合わせください。居抜き譲渡で原状回復の負担を減らす方法も、一緒に整理します。
TEL:06-6195-8209
よくある質問
Q. 解約し忘れていたら、閉店後も引き落とされ続けるの?
A. 契約が続いている限り、請求されるのが原則です。気づいた時点で契約先へ連絡し、解約日と、すでに引き落とされた分の扱いを確認してください。
Q. 事業用の契約でも、クーリング・オフはできますか?
A. 営業のための契約は適用除外とされるのが原則です。ただし、取引に慣れていない場合などは対象外にならないこともあるため、個別に確認が必要です。
Q. 閉店のお知らせは、契約先にも出したほうがいい?
A. 解約の申し出は、契約書で決められた方法で行うのが確実です。電話だけで済ませず、書面やメールなど記録の残る形でも伝えておくと安心です。
