
飲食店の「解約予告期間」トラブルと対処法|閉店前に確認
解約予告期間とは
店舗の賃貸借契約には「〇か月前までに解約を知らせる」という解約予告期間があります。大阪の路面店では3か月が一般的ですが、商業施設や大手の貸主では6か月、さらに「最低〇年は解約できない」という契約もあるため、閉店を決めてから動くと想定外の家賃を払うことになりがちです。「もう限界かもしれない」と感じた段階で、まず契約書の解約条項を確認し、書面で手続きを進めることがトラブルを防ぐ一番の近道です。
解約予告期間とは?
借主が「お店を出ます」と伝えてから、実際に契約が終わるまでの期間のことです。この間は契約が続いているため、営業していなくても家賃がかかります。
民法では、期間を決めていない建物の賃貸借は、解約を申し入れてから3か月で終わると定められています(民法第617条)。一方、期間を決めた契約(例:3年契約)は、途中で解約できる特約がある場合に限り、中途解約ができます(民法第618条)。店舗の契約書に書かれている「6か月前予告」などは、この特約にあたります。
| 区分 | 解約予告期間の目安 | 根拠 |
|---|---|---|
| 期間の定めがない建物の賃貸借 | 3か月 | 民法第617条 |
| 住宅(国の標準契約書のひな形) | 30日 | 国土交通省「賃貸住宅標準契約書」 |
| 大阪の一般的な路面店・テナント | 3か月が一般的 | 当社の仲介・管理の実務より |
| 商業施設・大手企業が貸主の物件 | 6か月が多い | 当社の仲介・管理の実務より |
※実際の期間は契約書の特約によって決まります。必ずご自身の契約書でご確認ください。
よくあるトラブル5つ
①予告期間を知らず、家賃が数か月分余計にかかる
住宅の感覚で「1か月前に言えばいい」と考えていると、3か月、物件によっては6か月分の家賃がかかって資金計画が崩れます。閉店資金の見積もりには、予告期間の家賃を必ず入れておきましょう。
②「いつ伝えたか」で食い違う
電話や口頭だけで伝えると、「聞いていない」「その日ではない」と揉めやすくなります。契約書で「書面による予告」と決められていることも多いため、日付が残る書面(内容証明郵便など、送った内容と日付を郵便局が証明してくれる郵便)で通知すると安心です。
③「解約予告」なのか「合意解約」なのかがあいまい
合意解約とは、貸主と借主が話し合って契約を終わらせることです。合意解約なら予告期間の家賃を払わなくてよいとされた裁判例もある一方、特約に基づく解約なら予告期間分の支払いが必要です。どちらの話をしているのかを、書面ではっきりさせることが大切です。
④次のテナントが決まったのに、予告期間分を請求される
「すぐ次の借主が入ったのだから、家賃は二重取りでは?」という相談は多いものです。しかし、6か月分の支払特約がある事業用の契約で、次の借主が決まっても支払義務はなくならないと判断した裁判例があります(東京地裁平成19年4月23日判決、不動産流通推進センターの解説より)。事前の交渉で減額してもらえるかどうかが鍵です。
⑤「最低〇年は解約できない」契約だった
「契約から〇年間は中途解約できない」「〇年以内に解約する場合は違約金」といった条項が入った契約もあります。商業施設や、定期借家契約(期間が来たら更新なしで終わる契約)などで見られることがあります。中途解約できる特約がない期間の契約は、原則として途中で一方的に解約できません(民法第618条)。残り期間分の家賃を求められることもあるため、閉店を考え始めたら、まず解約できない期間が残っていないかを確認しましょう。
トラブルを防ぐ進め方

- ☐ 解約予告期間(何か月前か)と「即時解約」の条件を確認した
- ☐ 「最低〇年は解約不可」などの期間や違約金の条項がないか確認した
- ☐ 通知の方法(書面・到達日基準など)を確認した
- ☐ 予告期間中の家賃を閉店資金に入れた
- ☐ 原状回復(借りたときの状態に戻す工事)を予告期間内に終えられるか確認した
- ☐ 居抜き譲渡(内装や設備を残したまま次の借主に引き継ぐこと)ができるか、通知前に相談した
居抜き譲渡がまとまると、次の借主への引き継ぎがスムーズになり、原状回復費用を抑えられる場合があります。詳しくは飲食店閉店・移転前に必読!居抜き譲渡で原状回復費用を抑え、200万円プラスで手放す方法【大阪版】で解説しています。閉店準備全体の流れは飲食店を閉めるとき、何から始める?失敗しない閉店準備の7ステップ|費用・手続きも解説もあわせてご覧ください。
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☎ 06-6195-8209
(営業時間10時〜18時・定休日なし)
よくある質問
Q. 閉店を決めたら、すぐに解約通知を出したほうがいいですか?
A. 家賃を減らすには早い通知が有利ですが、居抜き譲渡を考えるなら通知前に貸主へ相談を。通知後だと交渉の余地が狭まることがあります。
Q. このまま続けていいのか分からない…予告期間の家賃がもったいない気がします。
A. 予告期間中も契約は続くため、営業を続けることもできます。閉店日と明け渡し日を分けて考え、撤退の段取りを組みましょう。
Q. 解約通知は電話で伝えてもいいですか?
A. 契約書で書面と決めている場合が多く、口頭だけでは日付で揉める原因になります。内容証明郵便など記録が残る方法をおすすめします。
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