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「退去の立会い」飲食店が敷金でもめない7項目

閉店

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

退去の日に「想定外の請求が来たらどうしよう」と不安な店主さんへ。敷金(保証金)の精算は、貸主(大家さん)との退去立会いと鍵の返却の2つで決まります。この2つを事前に段取りしておくと、請求をめぐるもめごとを減らせます。

退去までの5ステップ

①
解約予告期間の確認
→
②
原状回復の範囲を確認
→
③
工事・清掃・残置物の処分
→
④
貸主の退去立会い
→
⑤
鍵の返却と敷金精算

順番は、貸主への解約予告期間を先に確認します。くわしくは飲食店の「解約予告期間」トラブルと対処法をご覧ください。

退去の日(明け渡し日)を決めるときは、縁起を気にされる方も多いと思います。

大安・一粒万倍日・天赦日などの日取りは、下の月別カレンダーで確認できます。
▶ 縁起のいい日カレンダー(月別)
※縁起は気持ちの問題です。日程は、解約予告期間・家賃の発生日・原状回復の工期を優先して決めてください。

なぜ退去立会いでもめるのか

原状回復(げんじょうかいふく=借りたものを元の状態に戻すこと)の義務は、民法621条に定められています。条文では、借りた後にできた傷みを元に戻す義務があるとされ、通常の使い方で生じた傷み(通常損耗)と経年変化は除かれています(出典:民法|e-Gov法令検索)。

ただし、どこまでが通常損耗かは、店舗では契約書の特約で決まっていることが多くあります。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、家賃が相場程度の民間の賃貸住宅を対象にしています(出典:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン|国土交通省)。店舗にそのまま当てはまるとは限らないため、まず自分の契約書を読むことが先です。工事の見積もりの見方は店舗の原状回復見積もり「スケルトン戻し」の落とし穴とはにまとめています。

敷金は「返還を受けた後」に精算される

民法622条の2は、貸主が敷金を返すのは、賃貸借が終わり、貸主が物件の返還を受けたときと定めています。返すのは、敷金から借主の未払い分(家賃や修繕費など)を引いた残りです。つまり、鍵を返した日がいつなのかが、精算の出発点になります。

また、借主から「最後の家賃は敷金で払ったことにしてほしい」と求めることはできません(同条2項)。家賃は最後まで払う前提で、資金計画を立ててください。敷金などの預け金は店舗を借りる時に最初に出るお金|保証金・礼金・仲介手数料でも説明しています。

貸主が損害賠償を請求できる期間にも決まりがあり、物件の返還を受けた時から1年以内です(民法600条。賃貸借には622条で準用)。

立会い当日に貸主と決める3つのこと

決めること 見る書類 書面に残す内容
①傷みの確認 契約書の特約、入居時の図面・写真 場所ごとの写真と、貸主の確認日
②工事や清掃の範囲 原状回復の見積書 範囲と費用を負担する人
③鍵の返却と精算 契約書の敷金(保証金)の条文 鍵を返した日と、精算の予定日

ダクトやグリストラップ(油を分ける設備)の洗浄は、見積もりごとに範囲が違います。飲食店の洗浄費|大阪の相場と安い見積もりの正体も参考にしてください。

私の経験から

私の経験では、居抜きで次の店に引き渡す場合、引き渡し日の前に電気を止めると、5年以上使った冷蔵庫などが急に動かなくなることがあります。止める日は飲食店の閉店「電気・ガス・水道」止める順番と期限で整理しています。あくまで目安で、物件・業者・契約内容により異なります。

退去前チェックリスト

  • ☐ 契約書で、解約予告期間と明け渡し日の決まりを確認した
  • ☐ 契約書で、原状回復の範囲(スケルトン戻しか、一部残しか)を確認した
  • ☐ 入居時の図面・写真を探し、現状の写真も撮った
  • ☐ リース品と自分の所有物を仕分けた
  • ☐ 残置物(置いたままの物)の処分方法を決めた
  • ☐ 貸主の退去立会いの日時を決めた
  • ☐ 鍵を返す日と方法を書面で残す準備をした

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大阪で新しい出店先をお探しの飲食店様、計画的な移転・閉店・居抜き売却をご検討中の飲食店様、どちらのご相談も株式会社不動産スペースへお気軽にお問い合わせください。貸主との退去立会いの進め方から、敷金精算の段取りまで、実務に即してお手伝いします。

TEL:06-6195-8209

お問い合わせフォームはこちら

よくある質問

Q. 退去の日に大家さんから急に高い請求が来たら、払うしかありませんか?
A. 契約書の特約と、入居時・退去時の写真で内訳を確認します。納得できない項目は、見積書をもらって確認してください。

Q. 敷金はいつ戻ってきますか?
A. 民法では、物件の返還を受けたときに返す決まりです。実際の日は契約書によるため、確認が必要です。

Q. 最後の家賃を敷金から引いてもらえますか?
A. 借主からその請求はできません(民法622条の2第2項)。最後まで家賃を払う前提で準備してください。

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