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居抜きの「買い手」はどこで探す?5ルートと進め方

閉店

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

居抜きで店を譲る相手は、まず貸主(大家さん)と管理会社に相談し、そのうえで店舗専門の不動産会社・同業の知人・M&Aマッチングサイト・公的窓口の4ルートを並行して当たるのが基本です。「閉めるしかないのかな、でも内装にかけたお金が全部消えるのか」——そう感じている店主の方へ、譲渡先の具体的な探し方を順番に整理します。

その前に:買い手を決める権限は貸主にもあります

居抜き譲渡は「設備を売るだけ」の話ではありません。店を使う権利(賃借権)をどうするかがセットになります。

多くのケースでは、買い手が貸主と新しく契約を結び直し、こちらは解約します。この形だと、貸主が「この人なら貸す」と言わないと成立しません。いっぽう、契約をそのまま引き継ぐ(賃借権を譲る)形なら、民法612条で貸主の承諾が必須と決められています。つまりどちらの形でも、貸主が最後のカギを握っています。

賃借権(ちんしゃくけん)とは
お金を払ってその場所を借りて使える権利のこと。家の鍵を借りているイメージです。鍵を別の人に渡すときは、貸してくれた人の了解が必要、というのが民法のルールです。

だから最初の一手は、買い手探しではなく貸主・管理会社への相談です。「居抜きで後を引き継いでくれる人を探したい」と伝えておくと、貸主側が候補を持っていることも珍しくありません。

買い手を探す5つのルート

探し方 向いている店 気をつける点
貸主・管理会社に相談 すべての店(最初にやる) 閉店意思が伝わるため、時期の言い方に注意
同業の知人・取引業者に声をかける 地元で付き合いが長い店 うわさが広がりやすい
店舗専門の不動産会社に依頼 早く・条件を整えて譲りたい店 手数料の条件を先に書面で確認
M&Aマッチングサイトに登録 売上や客層ごと引き継ぎたい店 自分で問い合わせ対応をする手間がかかる
公的窓口(事業承継・引継ぎ支援センター) 後継者不在で悩んでいる店 商談成立までに時間がかかりやすい

公的窓口は、国が47都道府県に48カ所設けている相談先です(独立行政法人中小企業基盤整備機構)。2024年度(令和6年度)の相談は23,540者、第三者への引き継ぎ(M&A)の成約は2,132件と公表されています。秘密厳守で相談でき、譲り受け側の紹介まで対応してもらえます。

仲介会社に頼む場合は、中小企業庁の「中小M&Aガイドライン(第3版・2024年8月公表)」が、契約前に手数料の計算方法・報酬率・最低手数料額を書面で説明するよう求めています。説明をはぐらかす会社は、その時点で候補から外して構いません。

進め方の順番

①
貸主・管理会社に相談
→
②
希望条件を決める
→
③
5ルートで同時に声かけ
→
④
買い手と条件交渉
→
⑤
造作譲渡契約+貸主と新契約

ここで効いてくるのが時間です。賃貸借契約には解約予告期間(半年前までに通知、など)が書かれています。買い手探しに3か月かかれば、その間も家賃は出ていきます。逆算して「何月までに買い手が見つからなければ通常解約に切り替える」という線を先に決めておくと、判断が楽になります。詳しくは飲食店の「解約予告期間」トラブルと対処法|閉店前に確認をご覧ください。

買い手に見せる資料チェックリスト

資料がそろっている店ほど、話が早く、値段も崩れにくくなります。

  • ☐ 賃貸借契約書(家賃・共益費・残り期間・解約予告期間)
  • ☐ 間取り図と席数・坪数
  • ☐ 譲渡する厨房機器・設備の一覧(型番と購入年)
  • ☐ 電気・ガス・水道の容量、排気ダクトの状況
  • ☐ 保健所の営業許可証、消防関係の届出書類
  • ☐ リース中の機器があるかどうかの一覧
  • ☐ 直近の売上(買い手が事業ごと引き継ぐ場合)

とくにリース中の機器は見落としが多い部分です。自分の物ではないので勝手に譲れません。早めに洗い出しておきましょう。

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株式会社不動産スペース(店舗市場)は、大阪で飲食店の物件探しと、居抜き譲渡・計画的な閉店のご相談を両方お受けしています。「まだ決めていないが、売れるものか知りたい」という段階でも構いません。

お電話:06-6195-8209

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よくある質問

Q. お客さんやスタッフに知られずに買い手を探せますか?
A. 可能です。店名や住所を出さず「大阪市内・15坪・居酒屋」のような匿名条件で募集し、具体的な見学は営業時間外にする方法が一般的です。

Q. このまま続けていいのか分からないのですが、相談だけでもできますか?
A. できます。公的窓口(事業承継・引継ぎ支援センター)は無料・秘密厳守で、不動産会社の初回相談も通常は無料です。

Q. 買い手が見つかるまでどのくらいかかりますか?
A. 立地や設備の状態で大きく変わります。解約予告期間から逆算し、見つからない場合の切り替え時期を先に決めておくことをおすすめします。

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