
閉店前の「回数券・ギフト券」精算!お客様への約束の畳み方
① まず確認:閉店日と貸主への解約予告期間
お客様への案内を作る前に、賃貸借契約書で解約予告期間(解約を何か月前までに伝えるかの決まり)を確認します。これが閉店日の上限を決めるからです。そのうえで最終営業日を決めます。
閉店日・引き渡し日を決めるときの参考に
縁起のいい日を月別にまとめたカレンダーがあります。
縁起のいい日カレンダー(月別)一覧
※縁起は気持ちの問題です。日程は、解約予告期間・家賃の発生日・原状回復の工期を優先してください。
告知の順番は、貸主→スタッフ→お客様が基本です。くわしくは『閉店告知の順番』スタッフと大家さんどちらが先?をご覧ください。解約予告期間の確認は飲食店の「解約予告期間」トラブルと対処法|閉店前に確認が参考になります。
予告期間の確認
預かりものの洗い出し
消化か返金かを決める
お客様へ期限つきで案内
② 「預かりもの」をすべて洗い出す
お客様に対して、お店が「あとで何かをする」と約束しているものを書き出します。レジの記録、ノート、予約台帳を見ながら作ると漏れにくくなります。
- ☐ 回数券・プリペイドカード・ギフト券(残りの金額や回数)
- ☐ ボトルキープ(お客様ごとの本数と残量)
- ☐ 先の日付の予約・宴会・貸切のコース
- ☐ ポイントカード・スタンプカード
- ☐ 前払いでいただいた代金や内金(予約の手付金など)
- ☐ 未回収のツケ(売掛)
③ 消化か返金か:前払い系は「法律の手続き」が絡むことがある
お店が発行した回数券やギフト券、プリペイドカードは、法律上「前払式支払手段(まえばらいしきしはらいしゅだん)」にあたることがあります。ざっくり言うと、先にお金をもらい、あとでお店が商品やサービスで返す仕組みです。
財務省関東財務局の案内によると、次の点が示されています。
- 自分のお店だけで使える「自家型」の場合、基準日(毎年3月31日・9月30日)の未使用残高が基準額の1,000万円を超えると、届出が必要になります。
- 届出をしている発行者が、発行と使用(回収)をやめる「廃止」をした場合は、遅れず届け出ます。あわせて、法律にもとづく払戻しの手続きが必要になります。
- 廃止を決めた段階で、早めに管轄の財務事務所へ連絡するよう求められています。
- 法人の解散を考えている場合は、解散の前に払戻しの手続きを終える必要があります。
小さな飲食店の回数券は、残高が基準額に届かないことが多いと思われます。ただし、条件により扱いが変わるため、自店が対象かどうかは財務局に確認してください。対象でない場合も、期限を決めて使い切ってもらうか、残りを返す形が現実的です。
預かりもの別の対応の目安は次のとおりです。あくまで目安で、お店の規約・契約内容によって変わります。
| 預かりもの | 対応の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 回数券・ギフト券 | 最終営業日までに使い切ってもらう。残りは返金 | 発行残高が多い場合は財務局へ相談 |
| ボトルキープ | 飲み切ってもらう、持ち帰り、または買い取りの相談 | 残量の確認と、お客様の同意を記録する |
| 先の予約・宴会 | 早めに連絡し、日程の変更か取り消し | 内金は返金する |
ボトルキープについては、知人のバーが閉店したとき、お客様のキープボトルを近くのお店に譲った、という話を聞いたことがあります。飲み切れない分の行き先ができる、という一つの方法です。ただし、これは聞いた一例で、条件により異なります。ボトルはお客様の持ち物なので、引き継ぎ先のお店と、お客様本人の同意が前提です。
④ お客様には「期限つき」で伝える
案内には、最終営業日とラストオーダーの時刻、回数券・ギフト券・ボトルの扱いと期限、予約客への個別連絡を入れます。店頭の貼り紙、SNS、予約サイト、Googleの店舗情報の変更は、同じ日にそろえて行いましょう。ばらばらだと、「前の情報を見て来てしまった」という行き違いが起きます。
「潰れる前に使い切りたい」と考えるお客様もいます。残高の問い合わせ窓口を決め、電話番号を案内に載せておくと安心されます。
よくある質問
Q. 回数券を持っているお客様が、閉店までに来られなかったらどうなりますか?
A. 残りの金額や回数を返金するのが基本です。対象や手続きは条件で異なるため、財務局への確認をおすすめします。
Q. もう限界で、閉店日まで日がありません。回数券の返金はいつまでに考えればいいですか?
A. 閉店を決めた時点で、すぐに残高を集計します。法人の場合は、解散の前に払戻しを終えておく必要があります。
Q. ボトルキープのお酒は、閉店後に店で処分してよいですか?
A. お客様の持ち物にあたるため、勝手に処分せず、持ち帰りか買い取りを確認しましょう。同意は書面かメッセージで残します。
