
借入金利DI70、それでも融資が止まらない理由
金利は上がっている、でも貸し渋りは起きていません
2026年10月1日に公表された日銀短観(企業短期経済観測調査)で、中小企業の「借入金利水準判断DI」が+70まで上がりました(6月調査は+61)。一方で「金融機関の貸出態度判断DI」は+13(全規模・全産業)で前回から変わっていません。つまり、金利が上がっている実感は強まっているのに、銀行が貸し渋っているわけではないという状態です。「このまま金利が上がったらローンが払えなくなるんじゃないか」と不安な方にとって、今考えるべきは「借りられるか」ではなく「返し続けられるか」です。
そもそも「DI」とは何でしょうか
DI(ディーアイ)
アンケートの結果を一つの数字にまとめたものです。借入金利水準判断DIなら、「金利が上がった」と答えた会社の割合から「下がった」と答えた会社の割合を引いた数字です。プラスが大きいほど、「上がった」と感じている会社が多いことを意味します。体温計のようなものだと思ってください。
日銀短観は日本銀行が3か月ごとに全国の企業へ行う調査で、今回は9,104社が回答しています(回答率99.4%、日本銀行調べ)。公的な調査なので、金融機関の現場感覚を知る材料として信頼できます。
数字を並べて見てみます
| 指標 | 2026年6月調査 | 2026年9月調査 |
|---|---|---|
| 借入金利水準判断DI(全規模・全産業) | +61 | +68 |
| 借入金利水準判断DI(中小企業) | +61 | +70 |
| 金融機関の貸出態度判断DI(全規模・全産業) | +13 | +13 |
| 資金繰り判断DI(中小企業) | +8 | +8 |
(日本銀行「全国企業短期経済観測調査(2026年9月調査)」2026年10月1日公表、および第一生命経済研究所の分析をもとに作成)
借入金利水準判断DIは、先行き(12月時点の見通し)が+71とさらに上がる見込みです。中小企業は+70で、大企業(+65)より高くなっています。体力の小さい会社ほど、金利の上昇を重く受け止めているということです。
一方、貸出態度判断DIは中小企業で+12と横ばいでした。資金繰り判断DIも中小企業で+8のまま変わっていません。金利は上がっているけれど、資金が借りられなくなったわけではないのです。
投資家としての読み方は3つです
- 融資が付くうちは、物件価格は下がりにくい
「金利が上がれば物件価格が下がる」と言われますが、それは銀行が貸さなくなったときの話です。貸出態度が緩いままなら、買える人が減らないので価格も崩れにくくなります。値下がりを待つ戦略は、今はあまり当てになりません。 - 上がるのは「これから借りる分」と「変動金利の分」
すでに全期間固定で借りている方は、返済額は変わりません。影響を受けるのは、これから借りる方と、変動金利や短期の金利に連動するローンを使っている方です。 - 自分の「返済余力」を数字で確認する
下の4ステップで試算してみてください。
今の金利で毎月の返済額を出す
金利が1%上がった場合で再計算
家賃が2か月途切れた場合を足す
手元のお金で回るか確認
④で止まってしまうなら、借入額が大きすぎるか、手元資金が薄すぎるということです。
大阪はどう見ればよいか
日銀大阪支店が同じ10月1日に公表した近畿2府4県の短観では、全産業の業況判断DIが+21となり、2期連続の改善と報じられています(日本経済新聞)。地元の景況感が良いこと自体は、家賃の下支えや空室期間の短縮という点では追い風です。
ただ、金利の上昇感は全国と同じように及んできます。大阪は投資用マンション向け融資のシェアが全国2位という調査もあり、サラリーマン投資家の方が物件を買いやすいエリアでもあります(詳しくは投資用マンション融資、大阪が全国2位「18%」の理由をご覧ください)。借りやすいことは、借りすぎやすいことと紙一重です。
今日の点検チェックリスト
- ☐ 自分のローンが固定金利か変動金利か、契約書で確認した
- ☐ 変動の場合、何に連動して金利が決まるか説明できる
- ☐ 金利が1%上がったときの毎月の返済額を計算した
- ☐ 空室が2か月続いても返済できる現金を持っている
- ☐ 次の物件を買う前に、返済比率(年間返済額÷年間家賃収入)を出した
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これから大阪で収益物件を購入したいサラリーマン投資家様、すでに物件をお持ちで金利上昇後の収支や空室対策が気になるオーナー様、どちらのご相談も株式会社不動産スペースまでお気軽にお問い合わせください。
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よくある質問
Q. 借入金利水準判断DIが+70というのは、70%の会社の金利が上がったという意味ですか?
A. 厳密には違います。「上がった」と答えた割合から「下がった」と答えた割合を引いた数字が70ポイントという意味です。ただ、上昇を感じている会社が大多数であることは確かです。
Q. 金利が上がっているのに、本当に今も融資は受けられるのでしょうか?
A. 日銀短観では金融機関の貸出態度判断DIが前回から変わっておらず、貸出姿勢は緩やかな状態が続いています。ただし個別の審査は、物件の内容や自己資金の額で判断されます。
Q. 固定金利に借り換えたほうが安心ですか?
A. 一概には言えません。借り換えには手数料や保証料がかかるため、残りの返済期間と金利差を試算して比べる必要があります。金融機関に両方の条件を出してもらうのが確実です。
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