
外食8月客数2.6%増「居酒屋」だけ0.6%、大阪店主の対策
2026年8月の外食産業は客数がしっかり増えた一方、「居酒屋」など夜型業態だけが取り残される形になりました(日本フードサービス協会調べ)。「値上げのおかげで数字は良く見えるけど、実際にお客さんは増えているのかどうか不安…」という店主さんも多いのではないでしょうか。今回の8月データは、その不安に前向きな答えを示しつつ、業態によって明暗がくっきり分かれた回でもありました。
8月データ:客数2.6%増、客単価2.3%増(日本フードサービス協会調べ)
日本フードサービス協会が2026年9月25日に発表した8月の市場動向調査によると、全店ベースの売上高は前年同月比104.9%(4.9%増)。内訳は客数102.6%(2.6%増)、客単価102.3%(2.3%増)でした(日本フードサービス協会調べ)。前回6月データの「客数0.8%増」と比べると、客数の伸びは大きく改善しています。
ただし、業態別に見ると温度差がはっきり出ています。
| 業態 | 売上高(前年同月比) |
|---|---|
| ファストフード全体 | 105.8% |
| ディナーレストラン | 105.5% |
| 喫茶 | 104.7% |
| ファミリーレストラン | 103.7% |
| パブ・居酒屋 | 100.6% |
パブ・居酒屋業態だけが100.6%(0.6%増)にとどまり、他業態との差が目立ちます(日本フードサービス協会調べ)。
なぜ居酒屋だけ伸び悩んだのか
理由として挙げられているのが、8月中下旬に相次いだ台風や局地的大雨です。月後半を中心に客足が落ち込み、特に夜の外出そのものが目的になりやすい居酒屋・パブ業態が影響を受けやすかったとみられます(日本フードサービス協会調べ)。ランチ需要が中心のファストフードや、予約前提のディナーレストランに比べ、「今夜どこに飲みに行くか」を当日決める居酒屋利用は、雨天の影響をより直接的に受けやすい構造があります。
大阪でも9月にかけて台風接近や大雨のニュースが続きました。「せっかく仕込みをしたのに、雨の日は本当にお客さんが来ない」と感じているミナミ・キタの居酒屋店主さんも少なくないはずです。全国データではありますが、大阪の夜型業態にも同じ傾向が当てはまっている可能性は高いと考えられます。
天候に加えて、見逃せない構造的な変化もあります。2024年11月に道路交通法が改正され、自転車の「酒気帯び運転」にも罰則(3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)が設けられました(東京都)。これまで「近所だから」と自転車でご近所の一杯に出かけていた年配のお客さんにとって、飲んだ後に自転車で帰ることが法律上のリスクになったということです。車を運転しない年配層にとって、徒歩か自転車で行ける範囲が実質的な「行動範囲」であることも多く、この範囲が狭まったことで、地域密着型の居酒屋ほど客足に影響が出ている可能性があります。
天候に左右されにくい店づくりのチェックポイント
客数を天候に振り回されにくくするために、以下のような備えを見直してみましょう。
- ☐ テイクアウト・デリバリーの導線が整っているか
- ☐ 雨の日限定クーポンやSNSでの当日告知をしているか
- ☐ 予約制メニュー(コース中心)で来店を前倒しできているか
- ☐ 常連客向けの会員制度・LINE公式アカウントがあるか
- ☐ 悪天候が続く月でも耐えられる固定費水準になっているか
- ☐ 徒歩圏の年配客向けに、宅配や出前など「自転車に頼らない」選択肢を用意しているか
こうした対策を講じても採算が改善しない場合は、無理に営業を続けるのではなく、移転や居抜き売却による計画的な閉店も、経営判断の一つの選択肢です。立地や物件条件を変えることで、天候リスクの影響を受けにくい業態への転換が図れるケースもあります。倒産動向については「飲食店倒産8月80件、大阪個人店主の「攻めの閉店」術」も参考にしてください。
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よくある質問
Q. 客単価が上がっているのに、本当にお店の調子が良いと言えますか?
A. 8月は客数自体も2.6%増と伸びており、値上げだけに頼らない成長といえます。ただし業態によって差があるため、自店の業態の傾向を確認しましょう。
Q. 雨の日にお客さんが減るのはうちの店だけの問題ですか?
A. いいえ、全国データでも居酒屋業態は天候の影響を受けやすい傾向が出ています。テイクアウトなど雨天対策の導線づくりが有効です。
Q. 居抜き売却を考えるタイミングの目安はありますか?
A. 天候対策や集客施策を講じても数ヶ月単位で採算が改善しない場合は、早めに移転・居抜き売却の検討を始めるのがおすすめです。
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