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繁盛店でも「やむなく閉店」、大阪飲食店が見直すべき契約

飲食経営

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

行列ができる人気店でも、閉店は避けられないことがある

大阪の人気チーズケーキ店「りくろーおじさんの店」のJR天王寺駅店が、2026年9月13日をもって閉店しました(同社発表、2026年8月28日告知)。理由は「やむなく」とだけ説明され、公式には明らかにされていません(同社発表)。「うちは行列ができるくらい繁盛しているから大丈夫」と思っていませんか。今回のケースは、集客力のある人気店であっても、契約や物件側の事情次第で閉店を迫られることがある、という現実を教えてくれます。


JR天王寺駅の改札前という好立地にあり、焼きたてチーズケーキを求める行列が絶えなかった同店。閉店の告知文では「この度、2026年9月13日をもちまして、やむなく閉店することとなりました」とのみ説明されており、売上不振が理由であるとは述べられていません(りくろーおじさんの店公式発表)。駅構内や商業施設内のテナントは、契約更新の可否や賃料改定、施設側の改装・建て替え方針など、店舗側の努力だけではコントロールできない事情によって退去を求められることがあります。


以前の記事(大阪駅前KITTE大阪できょう新店2軒、老舗カフェは54年で閉店――家主が学ぶテナント戦略)でも、54年続いた老舗カフェが立地の良さにもかかわらず閉店した事例を取り上げましたが、今回もまた「繁盛=安泰」ではないことを示す出来事といえます。


閉店リスクは、日頃の契約点検で備えられる

売上や集客力を上げる努力と同じくらい大切なのが、自店の賃貸借契約の中身を把握しておくことです。契約更新の時期や条件を知らないまま日々の営業に追われていると、いざ更新のタイミングで想定外の条件を提示されたときに、十分な準備期間を確保できません。


 

更新時期・条件の確認
 
 

造作譲渡・原状回復の確認
 
 

解約予告期間の確認
 
 

複数店舗でのリスク分散

 

賃貸借契約点検チェックリスト

 
       
  • ☐ 契約の更新時期と、更新を拒否される可能性がある条件を確認したか
  •    
  • ☐ 退去時の原状回復の範囲と、造作譲渡が可能かどうかを確認したか
  •    
  • ☐ 契約解除・不更新の場合の予告期間(何カ月前に通知されるか)を確認したか
  •    
  • ☐ 一店舗の売上に依存しすぎていないか、複数店舗・複数エリアでのリスク分散を検討したか
  •  

    「まだ先の話」と思わず、早めの準備を

    契約内容の確認や物件の見直しは、実際に問題が起きてから動くのでは遅いことがあります。特に駅構内・商業施設内のテナントは、一般的な路面店に比べて施設側の意向が優先されやすい面があるため、日頃から自店の契約条件を把握し、必要であれば早めに移転先の候補を探しておくことが安心につながります。閉店・移転を決めた場合も、内装や厨房設備を引き継ぐ居抜きでの譲渡であれば、原状回復費用を抑えながら次の借り手に引き継ぐことができます。


     

    テナント探し・戦略的な閉店のご相談はこちら

     

    大阪での出店をご検討中の飲食店経営者様、契約更新や施設側の事情を踏まえた計画的な移転・閉店・居抜き売却を検討中の飲食店経営者様、どちらのご相談も株式会社不動産スペースまでお気軽にお問い合わせください。

     

    TEL:06-6195-8209


    よくある質問

    Q1. 「やむなく閉店」とは、経営不振という意味ですか?

    A1. 公式発表では具体的な理由は明らかにされていません。売上不振とは限らず、契約や物件側の事情による可能性も考えられます。

    Q2. うちは繁盛しているから、契約の中身なんて気にしなくていいですよね?

    A2. 繁盛しているお店でも、施設側の事情で更新できないことがあります。売上に関わらず、契約内容は定期的に確認しておくことをおすすめします。

    Q3. 駅構内や商業施設のテナントは、路面店より閉店リスクが高いのですか?

    A3. 一概には言えませんが、施設全体の改装方針や運営会社の意向が優先されやすく、個店の努力だけでは対応しきれない場合があります。


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