
ビール54.25円に統一、大阪の居酒屋が今すべき準備
2026年10月1日、ビール1本(350ml換算)あたりの酒税が63.35円から54.25円に下がり、逆に発泡酒・新ジャンル(いわゆる「第三のビール」)は46.99円から54.25円に上がって、税額がすべて一本化されます(財務省発表)。「うちの店、結局仕入れ値は上がるの?下がるの?」と頭を悩ませている大阪の居酒屋・バルの店主さんも、少なくないのではないでしょうか。
何が変わるのか、まず数字で確認
今回の改正は、2018年度の税制改正で決まり、2020年から3段階に分けて進められてきた酒税改革の最終段階にあたります(財務省調べ)。対象はビール系飲料だけでなく、チューハイなどの「その他の発泡性酒類」も1本あたり28.00円から35.00円に引き上げられます。
| 品目 | 現行(〜9月30日) | 10月1日以降 | 変化 |
|---|---|---|---|
| ビール | 63.35円 | 54.25円 | ▲9.1円 |
| 発泡酒・新ジャンル | 46.99円 | 54.25円 | +7.26円 |
| チューハイ等(その他の発泡性酒類) | 28.00円 | 35.00円 | +7.00円 |
出典:財務省「酒税に関する資料」
大手ビールメーカー各社はすでに10月出荷分からの価格改定を発表しており、缶ビールの店頭想定価格は下がる一方、第三のビールは上がる見込みです(日本経済新聞報道)。
「仕入れ値が同じになる」わけではない点に注意
ここで誤解しやすいのが、「税額が一本化=仕入れ値も同じになる」という理解です。今回一本化されるのはあくまで「酒税」という税金部分だけで、ビールと発泡酒・第三のビールでは、そもそも麦芽などの原材料費(税抜きの製造原価)が異なります。そのため、これまで税金の差で大きく開いていた価格差が縮まるのであって、仕入れ値がぴったり同じ金額になるわけではありません。
大手メーカーが公表した店頭想定価格を見ると、この「縮まるが、ゼロにはならない」感覚がつかみやすくなります(日本経済新聞報道)。
| 商品 | 9月まで | 10月以降 | 差 |
|---|---|---|---|
| サントリー ザ・プレミアム・モルツ(ビール) | 279円 | 270円 | ▲9円 |
| キリン のどごし<生>(第三のビール) | 198円 | 205円 | +7円 |
出典:日本経済新聞報道をもとに作成(店頭想定価格)
このケースでは、価格差は81円から65円に縮まりますが、ビールの方が高い状態は変わりません。「安さ」を理由に発泡酒・第三のビールを選んでいた店ほど、価格差が縮まった今、ビールへの切り替えを検討する余地が出てきます。実際、過去2回(2020年・2023年)の段階的な酒税改正のときも、価格差の縮小にあわせて「ビール回帰」(ビール販売増・発泡酒減)の動きが見られました。今回は改正の最終段階にあたるため、この流れが一番強く出る可能性があります。
大阪の居酒屋・バルが9月中にすべき3つの確認
- ①ドリンクメニューの原価を品目ごとに洗い出す
樽生や缶ビールを中心に仕入れている店は原価が下がりますが、コストパフォーマンスを売りに第三のビールや缶チューハイを多用してきた店は、逆に原価が上がります。「白菜143%キャベツ142%」大阪飲食店の仕入れ術でも触れた通り、原価管理は仕入れ表を数字で見える化することが第一歩です。9月中に品目ごとの仕入れ本数を洗い出しておきましょう。 - ②メニュー価格の改定タイミングを決めておく
メーカー各社の価格改定は10月出荷分からのため、店頭のドリンクメニュー変更は10月上旬が目安になります。値札やPOSレジの単価変更をあらかじめ準備しておくと、10月に入ってからの慌ただしさを減らせます。 - ③仕入れ業者と在庫のタイミングを相談する
9月中にまとめて発注すれば旧税率の在庫を持ち越せますが、保管スペースやキャッシュフローとの兼ね合いも考える必要があります。取引先の酒販店に、10月分の発注時期を早めに相談しておくと安心です。
原価計算は、大阪の最低賃金1231円に「飲食店の採算ライン」見直し方で解説した人件費の見直しとあわせて行うと、秋の経営計画がより立てやすくなります。「原価が上がるのか下がるのか、正直まだピンとこない」という方は、まず自店の売れ筋ドリンクの品目構成を確認するところから始めてみてください。
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よくある質問
Q. うちの店、ビール中心なんですが原価はどれくらい下がりますか?
A. ビールは1本(350ml換算)あたり9.1円の減税です(財務省調べ)。仕入れ本数×9.1円で概算できますが、実際の卸価格は取引先によって異なるため、仕入れ業者に確認するのが確実です。
Q. メニューの価格はいつ変えればいいですか?
A. 大手メーカーの価格改定が10月出荷分からのため、多くの飲食店では10月上旬をめどにメニュー価格を見直しています。
Q. 第三のビールやチューハイばかり出している店はどうなりますか?
A. 発泡酒・新ジャンルは1本あたり7.26円、チューハイ等は7.00円の増税になるため、原価が上がる可能性があります。安さを理由に選んでいた「利益商品」ほど、原価上昇の影響を受けやすい点に注意が必要です。
Q. ビールと発泡酒の仕入れ値は完全に同じになるのですか?
A. いいえ。一本化されるのは酒税という税金部分だけで、原材料費の違いは残るため、価格差は縮まりますがゼロにはなりません。
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