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大阪駅前KITTE大阪できょう新店2軒、老舗カフェは54年で閉店――家主が学ぶテナント戦略

飲食経営

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

大阪駅前と中津で同時に起きた「新旧交代」

2026年8月1日、JR大阪駅直結の商業施設「KITTE大阪」で、フレンチバル「GRACO Apéro Stand」と九州料理店「九州酒場九国」が同日にオープンしました。同施設ではこの2か月だけで7店舗が新規開業しており、開業から年数が経った大型施設でも飲食テナントの入れ替えが途切れず続いています(KITTE大阪公式サイト調べ)。一方、徒歩圏外の大阪・中津では、老舗カフェ「カンテグランデ中津本店」が2026年8月23日、約54年の歴史に幕を下ろします(関西ニューオープン情報調べ)。この2つの動きは、大阪の飲食店不動産で今何が起きているかを映しています。

KITTE大阪、開業後も新規出店が途切れない

KITTE大阪は、大阪市北区梅田三丁目にあるJR大阪駅直結の商業施設です。公式サイトの「OPEN&RENEWAL」情報によると、直近では2026年6月12日「珈琲所 コメダ珈琲店」、6月26日「ちいかわベーカリー」、7月10日「メイドイントーカイ」、7月11日「巡る徳島・香川+小川生薬」、7月28日「akinai大阪」と、ほぼ2週間に1回のペースで新規出店が続いており、8月1日には2店舗が同時にオープンしました。大型商業施設は、一斉オープンした後もテナントの入れ替えや新規出店を止めないことが分かります。

老舗の閉店は「立地」のせいではない

一方のカンテグランデ中津本店は、ロックバンド・ウルフルズのトータス松本さんがデビュー前にアルバイトをしていたことでも知られる、関西のチャイ・カレー文化のパイオニアです。閉店の理由は公式には詳しく語られていませんが、経営不振ではなく世代交代によるものとみられています。

家主の皆様に知っていただきたいこと
テナントが退去する理由は、必ずしも物件や立地のせいではありません。長く続いた個人店ほど、後継者や独自の技術を引き継ぐ人材を確保できずに閉店に至るケースは珍しくありません。「うちの物件だから辞めていった」と考える必要はないのです。

大型施設の「動き続ける姿勢」から学べること

KITTE大阪のように、絶えず新しいテナントを迎え入れられる体力は個人所有の貸店舗にはなかなか真似できませんが、姿勢としては参考になります。ひとつのテナントに何十年も依存し続けるのではなく、退去のたびに「今、大阪でどんな業態が伸びているか」を見直す機会と捉えることです。次の借り主選びで本当に見るべきは、前のテナントが辞めた理由ではなく、新しい借り主が人件費や物価高が続く今のコスト環境でも家賃を払い続けられるだけの資金力と事業計画を持っているかどうかです。

設備が「次の飲食店」を呼び込むカギに

飲食店を呼び込めるかどうかは、建物側の設備(インフラ)次第という面もあります。ガスの容量や水道・排水の量など、飲食店特有の設備要件は物件によって差があります。立地が良ければテナント側が費用を負担してでも入居しますが、立地がそれほど強くない物件では、家主側が設備を整えておくことが次のテナント付けの鍵になります。1階が店舗、上層階が住居の「下駄履きマンション」では、排気・排煙の工事が上階とのトラブルの原因になりやすい点にも注意が必要です。

  • 家賃滞納が続くテナントほど、原状回復費用がかかるために解約を渋り、居座ってしまうことがあります。
  • この場合、居抜きのまま次のテナントに引き継げば、家主は家賃が途切れる期間を抑えられます。
  • ただし飲食店同士でも火力や換気能力といった設備の仕様は異なるため、次のテナントの業態に設備が合っているかの確認が必要です。

まとめ

動き 内容 時期
KITTE大阪 フレンチバルと九州料理店が同日オープン(直近2か月で7店舗開業) 2026年8月1日
カンテグランデ中津本店 約54年の歴史に幕、閉店 2026年8月23日

大阪駅前で続く新規出店と、老舗の閉店。どちらも大阪の飲食店不動産が動いている証拠です。家主にとっては、退去を悲観するのではなく、家賃と設備を見直す好機として捉える視点が大切です。

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株式会社不動産スペース TEL:06-6195-8209

よくある質問

Q. テナントが退去したら家主は何を優先すべきですか?
A. 前のテナントが辞めた理由を追及するより、次の借り主が今のコスト環境でも家賃を払い続けられる資金力を持っているかを見極めることが大切です。

Q. 老舗の飲食店が閉店するのは景気が悪いからですか?
A. 必ずしもそうとは限りません。カンテグランデ中津本店のように、後継者不足など経営者側の事情による閉店も多く見られます。

Q. 飲食店を誘致しやすい物件の条件は何ですか?
A. 立地に加えて、ガス容量や排水設備など飲食店特有のインフラが整っているかどうかが大きく影響します。

参考

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