
値上げの秋、コメだけ値下がり?大阪の飲食店の仕入れ術
9月は「値上げの秋」なのに、コメだけ値下がり中
2026年9月は調味料や冷凍食品など4,923品目が値上げされる「今年最多の値上げラッシュ」です(帝国データバンク調べ)。ところがその横で、コメの値段だけは逆に下がっています。スーパーの店頭価格は前年より1割以上安く、しかも2026年産の新米が前年産の「古米」より安く売られる逆転現象まで起きています。「これ以上原価が上がったら、うちの店はもう限界かもしれない」と感じている大阪の飲食店経営者様も多いと思いますが、コメを多く使う業態には数少ない「追い風」の材料です。
なぜ食品は値上げ、コメだけ値下げなのか
帝国データバンクの調査では、2026年9月の値上げ品目数は4,923品目、平均値上げ率は11%で、前年同月(1,467品目)の約3倍にのぼります(帝国データバンク調べ)。原因の9割以上は原材料高で、中東情勢による原油高が包装資材や物流費にまで波及しています。
一方でコメは、去年とは逆の理由で値段が動いています。農林水産省が発表したPOSデータ(全国のスーパーの販売実績)によると、2026年8月3~9日のコメの平均販売価格は5kgあたり3,220円で、前年同期より517円、13.8%安くなりました(農林水産省調べ)。2025年産米が品薄で高騰した反動で在庫が増え、2026年産の新米は前年より安い「概算金」(JAなどが農家に支払う仮払い金)で取引されているためです。値上げと値下げが、同じ「物価高」のニュースの中で同時に起きているのです。
大阪の丼・お好み焼き・寿司店は仕入れの見直し時
とはいえ、去年高値で仕入れた在庫を抱える業務用米卸もあり、末端の仕入れ値がすぐに下がるとは限りません。だからこそ、コメの使用量が多い牛丼・親子丼・お好み焼き・寿司・うどんなどの業態では、このタイミングで仕入れ先や契約条件を見直す価値があります。
現在の仕入れ値を確認
複数の卸・産直ルートで相見積もり
新米切り替えの時期を交渉
仕入れ見直しチェックリスト
- ☐ 直近の請求書で、コメ1kgあたりの単価を確認した
- ☐ 契約が「古米在庫の消化優先」になっていないか卸業者に確認した
- ☐ 産直・ブレンド米など、価格帯の違う選択肢を比較した
- ☐ 調味料など値上がり分と相殺できるか、月間の原価全体で試算した
家庭用米価格の推移(農林水産省POSデータ)
| 時期 | 5kgあたり平均価格 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 2026年2月上旬 | 4,204円 | - |
| 2026年8月3~9日 | 3,220円 | 13.8%安 |
| 銘柄米(8月3~9日) | 3,255円 | 23.2%安 |
※業務用米の価格は家庭用とは別建てで、卸との契約形態によって下落の反映時期が異なります。目安としてご覧ください。
値上がりする調味料・冷凍食品の原価防衛については、以前の記事「9月値上げ4923品目、大阪の飲食店に必要な「原価防衛」術」でも詳しく解説しています。あわせて、電気代など固定費の見直しは「電気代252~510円値上げ、大阪の飲食店の光熱費対策」もご参考ください。
まとめ
原材料の値上げが続く中でも、コメだけは値下がりという珍しい状況が生まれています。丼もの・粉もの・寿司など米を多く使う大阪の飲食店様は、この機会に仕入れ先や契約条件を見直し、他の値上げ分を相殺できないか検討してみてはいかがでしょうか。仕入れ環境の変化は、出店や移転のタイミングを考えるきっかけにもなります。
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よくある質問
Q1. コメが値下がりしているというのは本当ですか?うちの仕入れ値は全然下がっていません。
A. スーパーの店頭価格(家庭用)は前年より安くなっていますが、業務用米は卸との契約形態によって反映時期が異なります。まずは現在の契約内容を卸業者に確認してみましょう。
Q2. 新米の方が古米より安いというのは、どの品種でも起きているのですか?
A. 産地や品種によって差があります。前年に高値で仕入れた在庫を抱える卸・小売では、必ずしも新米の方が安くなるとは限らないため、個別の見積もりで確認することが大切です。
Q3. 10月以降もコメの値段は下がり続けますか?
A. 2026年9月時点では、民間在庫の増加や増産見通しから下押し圧力が続くとみられていますが、今後の作柄や需要動向によって変わる可能性があります。最新情報は農林水産省の発表でご確認ください。
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