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大阪の最低賃金1231円に「飲食店の採算ライン」見直し方

飲食経営

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

大阪府の最低賃金、2026年10月から1,231円に

大阪府の最低賃金(会社が働く人に払わなければいけない、時給の一番低いライン)は、2026年10月1日から現在の1,177円から54円上がって1,231円になります(大阪労働局調べ)。率にして4.59%の引き上げで、6年連続の値上げです。人件費の割合が大きい飲食店にとっては、値上げやシフトの見直し、場合によっては「この店を続けるかどうか」まで考え直す、大きなきっかけになりそうです。

何が、いつから変わるのか

2026年8月5日、大阪府最低賃金専門部会がこの引き上げを答申し、8月7日には正式な会議で決定が伝えられました。異議申し立てなどの手続きを経て、10月1日から適用される見通しです(大阪労働局調べ)。大阪府は全国でもっとも引き上げ幅が大きい「Aランク」に分類されており、上げ幅54円は、過去最大だった前年度の63円に次ぐ、2番目の大きさです。日本経済新聞も同様の内容を報じています。

近畿の他府県と比べると、大阪の水準の高さがよく分かります。

都道府県2026年度の最低賃金引き上げ額
大阪府1,231円+54円
京都府1,180円+58円
兵庫県1,172円+56円
和歌山県1,101円+56円

(大阪労働局・各府県労働局の公表資料をもとに作成)

なぜ飲食店に大きく響くのか

最低賃金の近くで働いている人は、パートやアルバイトの女性が中心で、なかでも宿泊業・飲食サービス業は特に影響を受けやすい業種として名指しされています(中央最低賃金審議会)。試しに計算してみましょう。アルバイトの合計勤務時間が月500時間のお店なら、54円の引き上げだけで人件費は月2万7,000円、年間では32万4,000円増える計算になります。すでに食品の値上げ特定技能人材の受け入れ停止で経営が苦しくなっているお店にとっては、決して小さな金額ではありません。

採算ラインを見直す3つの視点

  • 原価と客単価のバランス:人件費が上がる分を、値上げや原価の見直しでどこまで吸収できるか計算しておく
  • シフトの組み方:忙しい時間に人を厚くし、暇な時間を減らすなど、無駄のない配置に変える
  • 国の助成金の活用:生産性を上げる設備投資とあわせて賃上げをする場合、「業務改善助成金」(最大450万円、事業場内最低賃金が1,050円以上なら助成率4分の3)などが使える場合があります(厚生労働省調べ)

それでも厳しいなら、早めの決断も選択肢に

見直しをしても採算が合わないと分かった場合、無理に続けるよりも、早めに閉店や移転を決めて、居抜き(内装や設備をそのまま次のテナントに引き継ぐこと)で売却するという道もあります。ずるずると赤字を続けるより、体力があるうちに次の一歩を選んだほうが、結果的に負担が軽くなるケースは少なくありません。すでに町中華の倒産が15年ぶりの多さになっているというデータもあり、後継者がいない、体力が続かないといった事情での閉店も増えています。国の補助金を使った戦略的閉店という選択肢も、あわせて検討してみてください。

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大阪での出店をご検討中の飲食店経営者様、人件費の上昇を受けて採算や家賃の見直しから計画的な移転・閉店・居抜き売却を検討中の飲食店経営者様、どちらのご相談も株式会社不動産スペースまでお気軽にお問い合わせください。

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よくある質問

Q. 大阪府の最低賃金はいつから1,231円になりますか?
A. 2026年10月1日から適用される見通しです。給料の支払日ではなく、実際に働いた日で判断されるので注意が必要です。

Q. アルバイトだけでなく正社員にも関係ありますか?
A. はい。最低賃金は雇用形態にかかわらず、すべての労働者に適用されます。月給制の場合は時給に換算して確認する必要があります。

Q. 人件費の上昇に使える助成金はありますか?
A. 「業務改善助成金」など、賃上げと設備投資をあわせて行う事業者向けの制度があります。詳しくは厚生労働省や社会保険労務士にご確認ください。

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参考

※最低賃金の正式な発効日・金額は、異議申し立て手続きを経て確定します。最新情報は大阪労働局の公式発表をご確認ください。

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