
飲食店の『戦略的閉店』に国補助金、4つの枠を解説
原価高騰の今、「閉店」は失敗ではありません
原価と人件費の高騰で採算が厳しくなったとき、国には「事業承継・M&A補助金」という制度があり、その中の「廃業・再チャレンジ枠」を使うと、店をたたむときの原状回復費や在庫処分費の一部を補助金でまかなえます(中小企業庁調べ)。今すぐ使える窓口は締め切られていますが、仕組みを知っておくだけで、次のチャンスをつかみやすくなります。
大阪の飲食業界では、原価高騰による閉店判断を扱った記事を先日もお伝えしましたが、実は「閉店=失敗」ではありません。国も、経営者が計画的に店をたたんだり、居抜きのまま次の人に引き継いだりすることを後押しする制度を用意しています。
「事業承継・M&A補助金」ってどんな制度?
この補助金は、経営者の高齢化や後継者不足に対応するために、中小企業庁が用意しているものです(中小企業庁「事業承継・M&A補助金」)。名前は難しそうですが、要するに「お店を人に譲る」「事業をたたむ」ときにかかるお金を、国が一部負担してくれる制度です。全部で4つの「枠」(使い道の種類)があります。
| 枠の名前 | 主な使い道 | 補助上限額の目安 |
|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 親族・従業員へのお店の引き継ぎに伴う設備投資 | 最大2,000万円 |
| 専門家活用枠 | 買い手・売り手探しの仲介手数料など | 案件により異なる(小規模売り手支援類型は150万円) |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 廃業に伴う原状回復費・在庫処分費など | 案件により異なる |
| PMI推進枠 | 引き継ぎ後の統合・設備投資 | 案件により異なる |
(出典:中小企業庁「事業承継・M&A補助金」ミラサポplus掲載情報をもとに作成)
今回の第15次公募は2026年6月19日に申請受付が始まり、7月24日17時に締め切られました(中小機構J-Net21調べ)。次の公募(第16次)の時期は本記事作成時点で未発表です。最新のスケジュールは、必ず公式サイトでご確認ください。
「様子見」より「準備」を
締め切られているからといって、今は関係ないわけではありません。原状回復費の見積もりを取っておく、居抜きで引き継いでくれそうな相手を探しておくなど、準備しておくことで、次の公募が始まったときにすぐ動けます。
ポイント:居抜きのまま設備を残して次の借り主に引き継げば、原状回復費そのものを大きく減らせる場合があります。ただし設備の仕様(火力や換気能力など)が新しい借り主の業態と合うかどうかは、事前によく確認しましょう。
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よくある質問
Q1. 事業承継・M&A補助金は、個人経営の小さな飲食店でも使えますか?
A1. 中小企業・小規模事業者向けの制度で、条件を満たせば個人店でも対象になり得ます。詳細は公式サイトでご確認ください。
Q2. 次の公募(第16次)はいつ始まりますか?
A2. 本記事作成時点では未発表です。中小企業庁・ミラサポplusの公式ページで最新情報をご確認ください。
Q3. 居抜きで店を引き継ぐ場合も、この補助金は使えますか?
A3. 引き継ぐ側は専門家活用枠、引き継がれる側(廃業する側)は廃業・再チャレンジ枠など、立場によって使える枠が異なります。
