
大阪オフィス空室率3.24%に上昇 家主が今すべきこと
8月2日の続報です
「大阪オフィス空室率3.07%へ上昇でも賃料は坪13,326円で底堅い理由―オーナーが管理会社に聞くべき質問」でお伝えした内容の続報です。三鬼商事の調査によると、2026年7月の大阪市中心部のオフィスビル空室率は3.24%となり、前月から0.17ポイント上昇、2カ月連続の悪化となりました(三鬼商事調べ、2026年8月6日発表)。一方で平均賃料は1坪(約3.3平方メートル)あたり13,411円と、前月よりさらに85円上がっています。
前回との違いは「上昇の理由」と「上がり幅」
前回(6月分)の空室率上昇は、新大阪エリアの1社が本社を移転したことによる、いわば一時的な出来事でした。今回(7月分)は違います。「大成御堂筋タワー」というビルが、テナントの募集区画を残したまま完成したことが主な要因です(三鬼商事調べ)。地区別に見ると、そのビルがある淀屋橋・本町地区は0.45ポイント上昇して3.95%に、新大阪地区も3.41%(+0.34ポイント)と、前回とは別の要因でさらに上昇しました。
| 指標 | 2026年6月 | 2026年7月 |
|---|---|---|
| 大阪市中心部オフィス空室率 | 3.07% | 3.24% |
| 平均賃料(1坪あたり) | 13,326円 | 13,411円 |
| 上昇の主な要因 | 特定企業の移転(一時的) | 新築ビル竣工(募集区画あり) |
(出典:三鬼商事調べ、2026年8月6日発表分をもとに作成)
それでもオーナーが慌てなくていい理由
空室率が2カ月連続で上がると聞くと、不安に感じるオーナー様も多いのではないでしょうか。しかし今回も、空室率の上昇と同時に賃料はさらに上がっています。これは、大阪のオフィス需要そのものが弱くなったのではなく、新しく完成したビルの空室が埋まるまでの「一時的な調整」である可能性が高いことを示しています。
こうした局面は、家賃を見直す好機でもあります。もし今、管理する物件でテナントが退去したとしても、それ自体を悪いこととして捉える必要はありません。大事なのは「なぜ辞めたか」よりも、次に入る借り主が今の物価高・人件費高の環境でも家賃を払い続けられるだけの資金力と事業計画を持っているかどうかです。
新しいビルにテナントが集まる、本当の理由
弊社の現場での実感としても、最近は新しく完成したビルや、リノベーション済みのビルにテナントが集まりやすくなっています。理由はシンプルで「共用部まで綺麗だから」です。借りている部屋の中(専有部)だけをきれいにした物件は多くありますが、エントランスやトイレなど、みんなが使う「共用部」までリノベーションしている物件はまだ少数派です。だからこそ、共用部まで手を入れた物件に人気が集まりやすくなっています。
賃料ギャップを埋める「シェアオフィス」という選択肢
家主様の立場からすると、固定資産税(土地や建物にかかる税金)が上がっている分、賃料も上げたいというのが本音ではないでしょうか。しかし実際には、テナント側の賃料はそれほど上がっていないのが実情です。このギャップを埋めているのが、シェアオフィスやコワーキングスペース(1つのオフィスを複数の会社・個人でシェアする働き方)です。スタートアップ企業などは、月5万~10万円程度の家賃感で物件を探していることが多く、シェアオフィスはその予算感とうまくマッチしています。
ポイント:専用オフィス(1社が独占して借りるオフィス)のメリットも見逃せません。シェアオフィスが一般的になった今だからこそ、あえて専用オフィスを構えることで、取引先からの信用が上がるという面もあります。弊社が管理するリノベーション物件は、共用部までしっかり手を入れており、見た目はほぼ新築です。リノベーション済み管理物件の詳細はこちら
ポイント:1階が店舗で上の階が住居やオフィスという「下駄履きビル」では、飲食店を誘致できるかどうかは建物側の設備次第という面もあります。ガスの容量や水道・排水の設備が整っていれば、立地が多少弱くても飲食店にテナントとして選ばれやすくなります。ご自分の管理会社が、こうした設備面の話まできちんと説明してくれているか、この機会に確認してみるとよいでしょう。
管理会社選び・相続した物件のご相談はこちら
管理会社との契約内容の確認や管理会社選び・見直しでお悩みのオーナー様はもちろん、ご実家や親族の家を相続したものの何から手をつければよいか分からないという方も、株式会社不動産スペースまでお気軽にお問い合わせください。
株式会社不動産スペース
よくある質問
Q1. オフィスの空室率が上がると、必ず家賃も下がりますか?
A1. 必ずしも連動しません。2026年7月の大阪では空室率が上がった一方、平均賃料はさらに上昇しました(三鬼商事調べ)。
Q2. 新しいビルが完成すると、既存の物件の家賃も下げる必要がありますか?
A2. 一時的に周辺の空室率は上がりますが、新築ビルの空室が埋まる過程での調整である場合も多く、慌てて家賃を下げる前に管理会社に状況を確認しましょう。
Q3. 1階が店舗の賃貸マンションで、飲食店を誘致しやすくするには何が必要ですか?
A3. ガス容量や排気・排煙設備など、飲食店特有の設備が整っているかがポイントです。上階とのトラブルを避けるためにも、管理会社と設備面を確認しておくと安心です。
Q4. オフィステナントを増やしたい場合、シェアオフィスと専用オフィスのどちらが有利ですか?
A4. 一概には言えません。5万~10万円程度の低予算で探すスタートアップ企業にはシェアオフィスが、信用力を重視する企業には専用オフィスが選ばれやすい傾向があります。物件の共用部を綺麗に保つことも、どちらのニーズにも共通して効果的です。
関連記事
- 大阪オフィス空室率3.07%へ上昇でも賃料は坪13,326円で底堅い理由―オーナーが管理会社に聞くべき質問
- 管理会社に是正指導7割、家主が確認すべきこと
- 大阪「緑橋」駅の家賃が1年で127%に急騰 家主の見直し術
