
大阪の家賃11カ月連続最高値!東京の下落に学ぶ値上げ術
大阪市のマンション(30〜50㎡)の募集家賃は、2026年9月も最高値を更新し、11カ月連続になりました(アットホーム調べ)。一方、東京23区の同じ広さの部屋は、最高値の更新が15カ月で止まり、16カ月ぶりに下がりました。「今が天井なんじゃないか」「家賃を上げたら入居者が逃げるんじゃないか」と迷う家主さんは多いと思います。答えは、上げるか上げないかではなく、「上げた家賃で部屋が決まるかを、小さく試して確かめる」ことです。
今回の発表でわかったこと
アットホームが2026年10月26日に公表した、2026年9月分の全国主要都市の募集家賃動向(13エリア)の内容です(アットホーム調べ)。
| エリア・区分 | 2026年9月の動き |
|---|---|
| 大阪市 マンション カップル向き(30〜50㎡) | 11カ月連続で2015年1月以降の最高値を更新 |
| 大阪市 マンション | 全面積帯で前年同月を上回る |
| 東京23区 マンション カップル向き | 15カ月続いた最高値更新が止まり、16カ月ぶりに下落 |
| 東京23区 アパート シングル向き(30㎡以下) | 17カ月連続で最高値を更新 |
(出典:アットホーム「全国主要都市の賃貸マンション・アパート募集家賃動向(2026年9月)」)
ここで大事な注意が2つあります。
- 「募集家賃」は、広告に出した希望の金額です。実際に契約が決まった金額(成約家賃)ではありません。
- 東京の下落は1か月分の動きです。下がったのはカップル向きのマンションで、ほかの区分は上がっています。これだけで「相場が下り坂に入った」とは言えません。
つまり、大阪はまだ上昇の途中ですが、「看板の値段が上がり続けても、決まる値段まで同じとは限らない」ことを、東京の動きは思い出させてくれます。
値上げの前に確かめたい3つの数字
私の経験では、家賃の見直しで失敗する家主さんは、上げ幅が大きすぎる人より、上げた後の反応を見ずに放っておく人です。次の3つを管理会社に聞いてみてください。
問い合わせが入るまでの日数
内見(部屋を見に来た人)の件数
申込みまでの日数
これが、募集家賃を動かしたあとの「通信簿」です。管理会社に次の点を確認しましょう。
- ☐ 同じ広さの近くの部屋は、いま何円で募集され、何日で決まっているか
- ☐ 値上げした場合の「反響(問い合わせ)の数」を、2週間ごとに報告してもらえるか
- ☐ 反応が弱いときに、いつ・いくら戻すかを、先に決めておけているか
なぜ「戻す条件」を先に決めるのか。たとえば家賃5万円の部屋を5万5,000円に上げるとします。値上げで増える収入は月5,000円です。ところが、そのせいで空室が1か月長引くと、55,000円の収入が消えます。値上げ分の約11か月分です(上の例は計算のための仮定です)。「少し高めで出して、2週間で反応を見て、弱ければ戻す」という小さな試しが、いちばん損をしにくい進め方です。
私の見方:下がるとしても、繁忙期のあとです
これは統計ではなく、私の見方です。売買の価格では、東京で頭打ちの話が出てから約半年遅れて、大阪でも同じ記事が出てくるようになりました。賃貸も同じ順番で動くとすれば、大阪の家賃が下がるのは早くても2027年5月以降だと見ています。1〜3月は引っ越しが多い繁忙期で、募集家賃が下がりにくいからです。だからこそ、繁忙期までの今は値上げを小さく試せる期間であり、見直しの本番は繁忙期が終わったあとの反応を見てから、と考えています。
住んでいる人の家賃は、別の話です
今回の数字は、新しく募集する部屋の家賃です。いま住んでいる人の家賃を上げるには、借地借家法のルールに沿った話し合いが必要になります(詳しくは家賃値上げ通知が17%に、大阪家主の正しい進め方をご覧ください)。値上げの出番は、基本的に退去後の募集のときです。
あわせて、「満室だから大丈夫」と考えず、退去が出たときの募集の動きを、今の管理会社が数字で説明してくれるかも確かめておくと安心です(「満室でも管理会社を見直す」オーナー71.6%の理由も参考にしてください)。広さによって打ち手が違う点は、25㎡のワンルームは、まだ戦えますで整理しています。
親や祖父母から物件を引き継いだばかりで、「そもそも今の家賃が高いのか安いのかも分からない」という方も、まずは周辺の募集状況を調べるところから始めれば大丈夫です。一人で抱え込まず、地域の事情に詳しい不動産会社に早めに相談してください。
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今の家賃が相場に合っているか、値上げをどう試せばよいか、管理会社から数字での報告を受けられているかなどでお悩みのオーナー様はもちろん、相続した物件の管理・活用で何から手をつければよいか分からない方も、株式会社不動産スペースまでお気軽にお問い合わせください。
TEL:06-6195-8209
よくある質問
Q. 家賃を上げたら入居者が逃げるんじゃないかと不安です。どうすればいいですか?
A. いきなり大きく上げず、募集家賃を少し高めに出して2週間ほど問い合わせの数を見ます。反応が弱ければ戻す条件を先に決めておけば、損を小さくできます。
Q. 東京の家賃が下がったということは、大阪もこれから下がりますか?
A. 今回の発表だけでは判断できません。東京の下落は1か月分で、カップル向きのマンションに限った動きです。大阪市は同じ区分で11カ月連続の最高値更新でした(アットホーム調べ)。
Q. 募集家賃と成約家賃は何が違うのですか?
A. 募集家賃は広告に出した希望の金額、成約家賃は実際に契約が決まった金額です。値下げ交渉や条件の調整で、成約家賃が募集家賃より低くなることもあります。
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