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「満室でも管理会社を見直す」オーナー71.6%の理由

不動産管理

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

満室の物件でも、管理会社の見直しを相談するオーナーが少なくない。そんな調査結果が10月17日に公表されました。「満室だから問題なし」と思っていても、「今の管理会社、このままでいいのかな」と心のどこかで感じている家主さんは多いのではないでしょうか。この記事では、調査の中身と、満室のうちにできる点検のしかたをお伝えします。

調査でわかったこと:満室の物件でも「見直し」の相談は7割超

賃貸管理の一括査定サービス「いざ貸す」を運営するエイムプレイスは、一棟アパート・マンションの査定依頼1,434件を分析しました(調査期間は2025年9月〜2026年8月。エイムプレイス「一棟アパート・マンションのオーナー実態調査2026」)。

相談内容のうち「管理体制の見直し」は855件で、全体の59.6%でした(同調査)。注目は、満室の物件からの依頼でも、見直しの相談が7割を超えている点です(空室がある物件は49.2%)。

物件の状態 件数 「管理体制の見直し」の割合 「空室・稼働の課題」の割合
満室686件71.6%0.6%
空室が1戸以上722件49.2%29.8%

(出典:エイムプレイス「一棟アパート・マンションのオーナー実態調査2026」)なお、この表は総戸数と空室戸数の両方が有効だった1,408件が対象です(全体は1,434件)。855件・59.6%は全1,434件の数字のため、表の件数とは合計が合いません。

ここでいう「見直し」には、管理会社への不満、管理プランの提案依頼、管理費、管理会社探し、賃料の値上げ、退去後の募集の6項目が含まれます(同調査)。つまり「満室の今のうちに、条件のよい運営に変えられないか」と考えるオーナーが多い、ということです。

読むときの注意点
これは「査定を依頼した人」の集計で、全国から無作為に選んだ調査ではありません。管理会社を実際に変えた件数でもありません(同調査の注意書き)。この点は差し引いて読んでください。

関西(大阪・兵庫・京都)では、空室が1戸以上ある物件の割合が55.3%と、東京都の36.4%より高い結果でした(同調査)。

エリア 空室が1戸以上ある物件の割合
東京都36.4%
首都圏3県(神奈川・千葉・埼玉)49.4%
愛知県54.2%
関西(大阪・兵庫・京都)55.3%
その他エリア69.2%

(出典:同調査。査定依頼者の集計)

満室のうちに点検したい4つのこと

私の見方では、満室は管理会社の実力が見えにくい状態です。部屋が埋まっていると、退去が出たときの動きを見る機会がないからです。そこで、次の4つを確認してみてください。

  • ☐ 解約通知が出たとき、送金明細ではなく個別に連絡をくれるか
  • ☐ 退去の連絡から、募集を始めるまで何日かかるか
  • ☐ 家賃や募集条件の相談を、管理会社から先に持ちかけてくれるか
  • ☐ 管理費に含まれる仕事と、別料金の仕事が書面で分かれているか

募集開始の速さの目安として、京都・滋賀で2,454戸を管理するハウスセゾンエンタープライズの例があります。解約通知を受けてから原則2日以内に募集を始め、入居率98.2%(2026年7月時点)を保っているとのことです(全国賃貸住宅新聞、2026年10月23日)。あくまで1社の例ですが、募集開始までの日数を決めて動いている会社がある、という一つの目安になります。

退去の連絡から募集開始までの流れは、次のようになります。

①
解約通知を受ける
→
②
近隣の家賃相場を調べる
→
③
オーナーと条件を決める
→
④
募集を公開する

私の経験では、空室期間が長くなる物件ほど、③のオーナーとの条件確認で止まっていることが多く見られます。オーナーが連絡しやすい方法(電話・メールなど)を、あらかじめ管理会社と決めておくだけでも、動き出しは変わります。

もっとも、そもそも解約の連絡が遅い会社もあります。私の経験では、解約通知が出てからオーナーに報告が届くまで、半月以上かかるケースは珍しくありません。さらに、解約したことの連絡自体がなく、月々の送金明細で初めて退去を知らされる管理会社も少なくありません。これでは、募集条件を相談する前に、空室の期間だけが過ぎていきます。ご自分の管理会社が「退去が決まった時点で、個別に連絡をくれるか」も、あわせて確かめてください。

管理費に含まれる仕事については、国土交通省が、基本業務とオプション業務を分けて示す「標準管理業務ガイドライン」を、業界団体が中心となって作る方針だと報じられています(週刊住宅タイムズ、2026年2月24日)。内容は今後決まるため、最新情報は要確認です。国の発表は管理会社向けのニュースですが、オーナーにとっても他人事ではありません。ご自分の管理会社が、この点を書面で説明してくれているかを一度確かめてみるとよいでしょう。

管理会社の処分歴の調べ方は管理会社の処分歴は、1分で調べられますで、登録の確認は賃貸住宅管理業の登録更新2026、大阪オーナーの点検法で紹介しています。

見直しは「変える」ことが目的ではありません

見直しといっても、すぐ管理会社を変える必要はありません。まず今の管理会社に、上の4点を聞いてみてください。納得できる答えが返ってくれば、それが一番です。答えがあいまいなときは、他社の話を聞いて比べる材料にしましょう。解約の予告期間や違約金は、管理委託契約書の解約条項で先に確認しておくと安心です。

親や祖父母から物件を相続したばかりで、管理会社との契約内容が分からないという方も、同じ手順で大丈夫です。一人で抱え込まず、地域の事情に詳しい不動産会社に早めに相談してください。

管理会社選び・相続した物件のご相談はこちら

管理会社との契約内容の確認や管理会社選び・見直しでお悩みのオーナー様はもちろん、ご実家や親族の家を相続したものの何から手をつければよいか分からないという方も、株式会社不動産スペースまでお気軽にお問い合わせください。

TEL:06-6195-8209

お問い合わせフォームはこちら

まとめ

  • 査定を依頼した満室物件の71.6%が「管理体制の見直し」を相談していた(エイムプレイス調べ)。
  • 満室のうちに「解約の連絡の早さ」「募集開始までの日数」「相談のしかた」「管理費の中身」の4点を確認する。
  • すぐ変えるのではなく、まず今の管理会社に聞いて、比べる材料を集める。

よくある質問

Q. 満室なのに管理会社を変えたいと思うのは、わがままでしょうか?
A. わがままではありません。満室の今は、条件を落ち着いて比べられる時期です。ただし契約書の解約条項は先に確認してください。

Q. 管理会社に「ここが不満」と言ったら、関係が悪くなりませんか?
A. 「募集まで何日かかるか」など事実の確認なら角が立ちにくいです。答え方で、その会社の姿勢も分かります。

Q. 管理会社の良し悪しは、何を見て決めればよいですか?
A. 解約の連絡の早さ、募集開始までの速さ、条件相談の先回り、管理費の内訳の分かりやすさの4点が目安になります。

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