
「法定相続情報一覧図」とは?戸籍の束を1回で済ます方法
相続の手続きで、亡くなった方の戸籍謄本の束を何度も出さずに済む方法があります。法務局が無料で出してくれる「法定相続情報一覧図の写し」です。この記事では、作り方と使える場面、使えない場面をやさしく整理します。
「相続したけど、戸籍を集めるだけで疲れた」「銀行にも法務局にも同じ束を出すの?」。そんな声はよく聞きます。実家の名義変更と預金の手続きが重なると、書類の出し入れだけで何週間もかかることがあります。
「法定相続情報一覧図」とは
「誰が亡くなって、相続人は誰と誰か」を1枚の図にしたものです。法務局(登記所)が内容を確認し、認証文(間違いありませんという印)を付けた写しを無料で渡してくれます(法務局の案内による)。
この写しは、戸籍謄本の束の代わりとして使える場面があります。通常は、手続きを行う窓口ごとに戸籍の束を出して、返してもらうことを繰り返します。写しは必要な通数を無料でもらえるので、複数の窓口へ同時に出せます。
作るまでの流れ
戸籍を集める
一覧図を作る
法務局へ申出
写しを受け取る
- 申出できるのは、相続人(またはその相続人)です。申出先は、亡くなった方の本籍地、最後の住所地、申出人の住所地、亡くなった方名義の不動産の所在地のどれかを管轄する法務局から選べます。
- 郵送でも申出できます。写しも郵送で受け取れますが、返信用の封筒と切手が必要です。
- 一覧図の保管期間は、申出の翌年から5年間です。その間は再交付を受けられますが、再交付を申し出られるのは、最初に申出人になった人だけです。
- 相続登記の申請書に「法定相続情報番号」を書けば、写しの添付を省略できます(令和6年4月1日から)。ただし、この番号は不動産登記以外の手続きでは使えません。
- 銀行での預金払戻しにも使えますが、個別の金融機関の扱いは、事前に提出先へ確認してください。
- 日本国籍がなく、戸籍を出せない相続の場合は、この制度を使えません。
申出前のチェックリスト
- ☐ 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍(除籍)謄本をそろえたか
- ☐ 相続人全員の現在の戸籍謄本をそろえたか
- ☐ 亡くなった方の最後の住所が分かる書類(住民票の除票など)を用意したか
- ☐ 申出人の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)を用意したか
- ☐ 申出先の法務局と、必要な写しの通数を決めたか
- ☐ 銀行など、提出先で写しが使えるか確認したか
必要な戸籍の集め方は、相続登記の必要書類は?戸籍謄本の集め方と過料10万円で詳しく解説しています。
実家の名義変更や預金手続きとの順番
書類をそろえる期間が長くなるほど、実家の固定資産税や管理費の立て替えが続きます。口座が止まって払えない場合は、「親の口座が凍結」葬儀費用と空き家の支払いはどうするも確認してください。相続人の1人が遠方や海外にいる場合は、「海外にいる相続人」印鑑証明の代わりは署名証明で書類の取り方を整理しています。
私の経験では、一覧図の写しは、戸籍がそろったあとに最初に作っておくと、あとの手続きの段取りが組みやすくなります。ただし、手続きがひとつだけなら、戸籍の束を直接出す方が早い場合もあります。
相続した不動産・空き家のご相談はこちら
実家や親族の不動産を相続して何から手をつければよいか分からない方、所有している空き家の活用・売却・解体を検討中の方、どちらのご相談も株式会社不動産スペースまでお気軽にお問い合わせください。
株式会社不動産スペース
電話:06-6195-8209
よくある質問
Q. 法定相続情報一覧図の写しをもらうのに、お金はかかりますか?
A. 法務局での交付は無料です。ただし、戸籍の取得費用や、郵送の場合の切手代は別にかかります。
Q. 5年たったら、もう使えなくなりますか?
A. 保管期間が終わると再交付は受けられませんが、すでに受け取った写しは手元に残ります。必要なら、改めて申出します。
Q. 相続人の1人が連絡に応じてくれません。それでも作れますか?
A. 申出人は相続人の1人で足ります。ただし、一覧図に載せる相続人の戸籍はそろえる必要があります。連絡が取れない場合は、別記事もご覧ください。
関連記事
- 相続登記の必要書類は?戸籍謄本の集め方と過料10万円
- 「相続人と連絡が取れない」実家の名義変更の進め方
- 「親の口座が凍結」葬儀費用と空き家の支払いはどうする
- 遺産分割協議はいつまで?進め方と「もめないコツ」
