
相続登記の必要書類は?戸籍謄本の集め方と過料10万円
相続登記で法務局に提出する書類は、大きく分けると「戸籍の証明書」「住民票の写し」「登記申請書」の3種類です(法務省調べ)。「実家を相続したけど、何から集めればいいのか見当もつかない」という方も多いのではないでしょうか。この記事では、書類を集める順番に沿って、必要なものを一つずつ整理していきます。
相続登記完了までの4ステップ
戸籍を集める
登記申請書を作る
法務局へ提出
登記完了
大まかな流れはこの4つだけです。一番時間がかかるのは①の戸籍集めなので、まずはここから着手しましょう。
まず全体像:必要な書類は3種類
相続登記の申請では、遺言がなく、法律で決められた割合(法定相続分)で不動産を相続する一般的なケースの場合、主に次の書類が必要になります(法務省「登記申請手続のご案内(法定相続編)」より)。
| 書類 | 何のために必要か | 取得先 |
|---|---|---|
| 被相続人の戸籍謄本一式 | 出生から死亡までを確認し、他に相続人がいないか特定するため | 本籍地の市区町村役場 |
| 相続人全員の戸籍謄本 | 相続人であることを証明するため | 各自の本籍地の市区町村役場 |
| 相続人全員の住民票の写し | 現在の住所を証明するため(マイナンバー無記載のもの) | 各自の住所地の市区町村役場 |
| 登記申請書 | 法務局に提出する申請そのものの書類 | 法務局HPから様式を入手し自分で作成 |
出典:法務省「登記申請手続のご案内(法定相続編)」をもとに作成
ステップ①:戸籍の証明書を集める
まず必要なのが、亡くなった方(被相続人)の「出生から死亡までの経緯が分かる戸籍の証明書」です。結婚などで戸籍が新しく作られている(編製されている)ことが多いため、最新の戸籍から一つずつ古い戸籍にさかのぼって取得していきます(法務省調べ)。これによって「他に相続人がいないこと」を確認できる仕組みになっています。
便利になった点:令和6年3月1日から、本人・配偶者・父母や祖父母(直系尊属)・子や孫(直系卑属)の戸籍であれば、本籍地以外の市区町村の窓口でもまとめて請求できるようになりました(法務省調べ)。複数の市区町村をまたいで戸籍を集める手間が以前より軽くなっています。
番外編:戸籍の束を1枚にまとめる「法定相続情報証明制度」
戸籍謄本は多いと十数通になることもあり、相続登記以外の相続手続き(銀行口座の解約など)でもそのたびに提出を求められます。そこで便利なのが「法定相続情報証明制度」です。集めた戸籍謄本一式と、相続関係を一覧にした図を法務局に提出すると、登記官が内容を確認した上で、認証文付きの一覧図の写しを無料で交付してくれます(法務省調べ)。この一覧図の写しがあれば、以後の相続手続きで戸籍謄本の束をその都度提出する必要がなくなります。
ステップ②:登記申請書を作成し、法務局へ提出する
戸籍や住民票がそろったら、法務局のホームページから登記申請書の様式をダウンロードして作成します。あわせて、登録免許税(登記にかかる税金)を納める必要があります。税額は原則として不動産の固定資産税評価額の0.4%(1000分の4)で、不動産の価額が100万円以下の土地など、一定の条件を満たすと免税になる措置もあります(法務省調べ)。書類がそろったら、法務局の窓口への持参・郵送・オンライン申請のいずれかの方法で提出します。
「まだ大丈夫」と思っていると過料の対象に
相続登記は2024年4月1日から義務化されており、不動産を相続で取得したと知った日から3年以内に登記をしないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象になります(法務省調べ)。2024年4月1日より前に相続していた不動産で登記がまだの場合も対象で、期限は2027年3月31日までです(法務省調べ)。「戸籍集めに時間がかかりそうで、期限に間に合わないかもしれない」という場合は、単独ででき、義務を果たしたとみなされる「相続人申告登記」という簡易な制度もあります。
書類準備チェックリスト
集め始める前に、このリストを印刷やメモ代わりに使ってください。
- ☐ 被相続人の戸籍謄本一式(出生〜死亡までさかのぼって取得)
- ☐ 相続人全員の戸籍謄本
- ☐ 相続人全員の住民票の写し(マイナンバー無記載のもの)
- ☐ 登記申請書(法務局HPから様式をダウンロードして作成)
- ☐ 登録免許税分の収入印紙または納付書(免税に該当しないか要確認)
- ☐ (あると便利)法定相続情報一覧図の写し
相続した不動産・空き家のご相談はこちら
実家や親族の不動産を相続して何から手をつければよいか分からない方、所有している空き家の活用・売却・解体を検討中の方、どちらのご相談も株式会社不動産スペースまでお気軽にお問い合わせください。
TEL:06-6195-8209
よくある質問
Q. 戸籍謄本ってどこでもらえばいいの?何通くらい必要?
A. 亡くなった方の本籍地がある市区町村役場が基本の窓口です。通数はご家族の状況によって異なり、複数の市区町村にまたがることもあります。
Q. 相続登記をしないとどうなりますか?
A. 正当な理由なく期限内(原則3年以内)に登記をしないと、10万円以下の過料の対象になる可能性があります(法務省調べ)。
Q. 自分で手続きするのが不安な場合はどうすればいいですか?
A. 法務局の登記手続案内(予約制)や、司法書士に相談する方法があります。書類集めだけでも負担に感じる場合は、早めに専門家や不動産会社に相談することをおすすめします。
