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フランチャイズ店の閉店|違約金と競業避止の注意点

閉店

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

FC加盟店の閉店が、普通の閉店より一段ややこしい理由

先に結論です。フランチャイズ(FC)に加盟しているお店を閉めるときは、本部に解約を伝える前に、契約書で「中途解約の違約金」「競業避止義務」「物件の契約名義」の3点を確認するのが最初の一手です。「もう限界かもしれない」と感じていても、この3つを先に押さえるだけで、手元に残るお金と次の選択肢が大きく変わります。

個人のお店であれば、貸主(大家さん)と話し、スタッフと仕入れ先を精算すれば閉店できます。FC加盟店の場合は、ここに「本部との加盟契約」がもう1枚増えます。加盟契約は5年・10年といった長めの期間で結ばれていることが多く、途中でやめると違約金が発生する形になっているためです。

公正取引委員会のガイドラインでも、中途解約の条件があいまいな場合、「加盟者はどの程度違約金を負担すれば中途解約できるのか不明であるために解約が事実上困難となる」と指摘されています(フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方/令和3年4月28日最終改正)。条件が分かりにくいのは、あなたの読み落としとは限りません。だからこそ、自分の手で契約書を読み直す時間を取る価値があります。

なお、飲食業のフランチャイズは「特定連鎖化事業」にあたり、本部は加盟契約を結ぶ前に、契約の解除や違約金を含む主な内容を書面で説明する義務があります(中小小売商業振興法11条)。加盟時に渡された分厚い説明書面が残っていれば、そこに条件が書かれています。まずは探してみてください。

閉店の「出口」は3つあります

中途解約だけが道ではありません。違約金の重さは、選ぶ出口ごとに変わります。

出口 違約金の重さ 向いている場面
①中途解約(契約期間の途中でやめる) 重い(残り期間に応じた金額になることが多い) 赤字が続き、1日でも早く止めたいとき
②加盟店の地位を譲る(店ごと引き継いでもらう) 軽い〜なし(本部の承諾が条件) 設備も立地も悪くなく、やる人を探せるとき
③契約期間の満了まで続けて更新しない なし 満了まで数か月で、赤字を抱えきれるとき

②は、本部に相談すると本部側が次の加盟希望者を紹介してくれることがあります。本部も「売上の出ている店舗を空けたくない」ため、話が合う余地があるのです。先に「やめます」と一方的に通知してしまうと、この選択肢が消えてしまいます。順番として、通知より相談が先です。

本部に相談する前に確認する9項目

  • ☐ 中途解約の条項(何か月前に伝える必要があるか)
  • ☐ 違約金の計算式(残存期間×月額ロイヤリティなど、何を基準にしているか)
  • ☐ 加盟店の地位を第三者に譲ることができるか(譲渡条項の有無)
  • ☐ 店舗物件の賃貸借契約の名義(自分か、本部か)
  • ☐ 内装・厨房設備の所有者(自分の資産か、本部所有かリース物件か)
  • ☐ 看板・ロゴ・制服などの撤去義務と、その費用負担
  • ☐ 競業避止義務の範囲(期間と地域、対象となる業種)
  • ☐ ロイヤリティ・仕入代金の未払い残高
  • ☐ 連帯保証人(家族などがなっていないか)

進め方の順番

①
契約書の3条項を確認
→
②
本部に相談
(譲渡の可否を打診)
→
③
物件の名義を確認
→
④
精算額を書面でもらう
→
⑤
解約日と撤去範囲を決める

閉店日や物件の引き渡し日は、次の一歩を気持ちよく始めるために「縁起」を気にされるオーナーも多い項目です。大安・一粒万倍日・天赦日などの日取りは、下の月別カレンダーで確認できます。

▶ 縁起のいい日カレンダー(月別)

※縁起は気持ちの問題です。実際の日程は、賃貸借契約の解約予告期間・家賃の発生日・原状回復の工期を優先して決めてください。

つまずきやすい3つの落とし穴

  • 物件の名義が本部になっているケース。本部が大家さんから借り、それを加盟店に貸す「転貸(てんたい/サブリース)」の形だと、お店を自分の判断で居抜き(内装を残したまま次の人に譲ること)で売ることはできません。買い手を見つけても、本部の承諾がなければ成立しないのです。
  • 設備が自分のものではないケース。本部所有やリース契約の厨房機器は、造作譲渡(内装・設備を有償で譲ること)の対象にできません。譲渡額を見積もる前に、どれが自分の資産かを一覧にしておきましょう。リース物件が残っている場合は「厨房機器のリース解約」違約金交渉のコツと注意点も併せてご確認ください。
  • 競業避止義務(きょうぎょうひしぎむ)。契約が終わってから一定期間、近くで同じ業種の店をやらない約束のことです。再出店を考えている方には直接ひびきます。ただし公正取引委員会のガイドラインでは、本部のノウハウ保護などに「必要な範囲を超えるような地域、期間又は内容の競業禁止義務を課すこと」は独占禁止法上問題となり得るとされています。範囲が極端に広いと感じたら、弁護士に条文を見てもらう価値があります。

なお、本部との話と並行して、物件の貸主への解約通知の期限も迫ってきます。通知の出し方そのものでつまずく例も多いため、飲食店の「解約予告期間」トラブルと対処法|閉店前に確認も早い段階で確認しておくと安心です。

テナント探し・戦略的な閉店のご相談はこちら

FC加盟店の閉店は、本部・貸主・買い手の3者が絡むため、個人店より段取りが複雑になります。株式会社不動産スペース(店舗市場)では、大阪エリアで新しい出店先をお探しの飲食店様、そして計画的な移転・閉店・居抜き売却をご検討中の飲食店様の両方からご相談をお受けしています。契約書を前に手が止まっている段階でも構いません。

お電話:06-6195-8209

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よくある質問

Q. 本部に「閉めたい」と言う前に、まず何をすればいいですか?
A. 加盟契約書の「中途解約」「譲渡」「競業避止」の3条項を読み、違約金の計算式を把握してください。先に通知すると交渉の余地が狭まります。

Q. 違約金がとても高額なのですが、減らしてもらえないのでしょうか。
A. 金額は契約で決まるのが原則ですが、店ごと引き継いでもらう形にできれば軽くなる場合があります。まず本部に譲渡の可否を相談してください。

Q. FC店でも居抜きで売れますか?
A. 物件の名義が自分で、設備も自己資産なら可能性はあります。名義が本部の転貸形式だと本部の承諾が必須です。

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