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飲食店の閉店手段「居抜き・M&A・転貸」を比較

閉店

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

(2026年9月26日更新)

「閉店=赤字で終わり」とは限りません。原状回復に100万円、家賃の空白期間、次の借主が決まらない不安…「どうせ潰れるなら、少しでも損を減らしたい」と感じている飲食店オーナー様も多いのではないでしょうか。実は、閉店時にただ退去するのではなく、資産を活かして損を減らして手放す方法があります。この記事では、閉店時に検討すべき3つの手法「居抜き・M&A・転貸」の違いと注意点、そして物件オーナー側にもメリットがある理由をわかりやすくご紹介します。

選択肢はこの3つ

方法渡すもの売却金額の目安期間の目安向いている人
居抜き内装・設備数十万〜数百万円1〜2ヶ月早く撤退したい方
M&A店舗+従業員・ノウハウ等数百万〜数千万円3ヶ月〜事業を残したい方
転貸店舗をそのまま又貸し基本なし数週間〜契約途中で抜けたい方

1. 居抜き売却|手早く・損失を減らして撤退

厨房機器・内装をそのまま引き継いでもらう方法です。原状回復工事を回避しつつ、設備を資産として売却できます。ある調査では、都内10〜30坪クラスの造作譲渡(居抜き売却)で50万円〜300万円程度という目安も示されています(東京のデータのため、大阪では相場が異なりますが参考にはなります。フードコネクション調べ、2026年8月更新)。

○ メリット
  • 原状回復費(数十万〜100万円程度)を削減
  • 設備・内装の売却益が得られる
  • 営業ギリギリまで稼働できる
△ 注意点
  • 内装の状態によっては買い手が見つからないことも
  • 売却価格は設備の価値ベース(事業価値は含まれない)

原状回復の見積もりを取る際に確認しておきたいポイントは、以前の記事店舗の原状回復見積もり「スケルトン戻し」の落とし穴とはで詳しく解説しています。

2. M&A|お店の「中身」ごと引き継ぐ

ブランド・スタッフ・営業権など「お店ごと譲渡」する方法です。黒字店舗やファンの多いお店は高額で売却できることもあります。営業権(のれん。お店の信用やブランド力といった、目に見えない価値のことです)の評価額は、一般的に営業利益の2〜5年分が目安とされています(M&A仲介各社の解説記事より)。成約までの期間は、早いケースで3ヶ月程度からが目安です。

○ メリット
  • ブランドや仕組みも評価対象になる
  • 店を残したまま次に引き継げる
  • 借入や契約の引き継ぎも可能
△ 注意点
  • 交渉〜契約完了まで時間がかかる(3ヶ月〜)
  • 財務資料・開示資料などの準備が必要
  • 買い手が限られる可能性もある

3. 転貸(サブリース)|契約期間途中の「つなぎ」手段

物件を第三者に貸すことで、契約期間内に撤退する方法です。

○ メリット
  • 家賃負担を軽減できる
  • 募集〜内装撤去の手間を減らせる
△ 注意点
  • オーナーの承諾が必須
  • 賃貸人としての責任は元の借主(自分)に残る
  • 設備の譲渡益は得にくい

こんな勘違い、していませんか?

  • 「うちは赤字だから売れない」→ 居抜きなら設備に価値がつく可能性があります
  • 「原状回復しなきゃ出られない」→ 居抜きや転貸なら工事不要のケースもあります
  • 「M&Aって大企業の話でしょ?」→ 個人店舗の事例も多数増えています

【実例】30席のイタリアンを居抜き売却したAさん(大阪市)

開業7年、体調の問題で閉店を決意。原状回復費100万円がかかる予定でしたが、設備付きで180万円で売却が成立しました。実質プラスで撤退でき、次のオーナーにも喜ばれた事例です。

物件オーナー(貸主)にとってもメリット大

居抜き・M&Aは、テナント側だけでなく、貸主側にも大きな利点があります。

通常退去の場合

  • 原状回復工事後、再募集が必要
  • 募集期間中は家賃空白が発生
  • スケルトン状態は内見時に不利

居抜き・M&Aの場合

  • そのまま引き継ぎで原状回復不要
  • 募集不要・家賃の切れ目なし
  • テナント属性も比較的安定

募集期間ゼロで次のテナントにバトンタッチできれば、オーナー様にとっても空室リスクを抑える大きなメリットになります。

閉店準備全体の流れを確認したい方は、以前の記事飲食店を閉店する前に読むべき完全ガイド|手続き・費用・スケジュールを徹底解説もあわせてご覧ください。また、居抜き譲渡で閉店費用を抑える具体的な考え方は飲食店オーナー必見!閉店費用を大幅削減できる「居抜き譲渡」とは?で詳しく解説しています。

居抜き売却・M&Aのご相談はこちら

飲食店の閉店は「終わり」ではなく「次の一手」です。居抜き売却のマッチング、飲食店M&Aのご相談、物件オーナー様との交渉代行まで、株式会社不動産スペースが無料でサポートいたします。原状回復で100万円払う前に、まずは他の選択肢をお気軽にご相談ください。

TEL:06-6195-8209

お問い合わせフォームはこちら

よくある質問

Q. 赤字続きのお店でも、居抜きやM&Aで売れますか?
A. 赤字でも、設備の状態が良ければ居抜き売却で値がつくことがあります。M&Aは黒字化の見込みや顧客基盤が評価されるため、赤字であっても交渉の余地はあります。

Q. 居抜き・M&A・転貸、結局どれが一番早く動けますか?
A. 一般的には、契約継続のまま第三者に貸す「転貸」が数週間〜と最も早く、次いで居抜き売却が1〜2ヶ月、M&Aは3ヶ月以上かかることが多いです。

Q. 物件オーナーの承諾がもらえるか不安です。どうすればいいですか?
A. 居抜き・M&A・転貸のいずれも、事前にオーナー側へのメリット(空室リスクの低減など)を説明することで、承諾を得やすくなるケースがあります。交渉に不安がある場合は、不動産会社に間に入ってもらうのも一つの方法です。

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参考

※売却金額や期間は個別の条件(立地・規模・財務状況など)によって大きく変動する目安です。正確な金額は個別の見積もり・査定でご確認ください。

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