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相続した実家が「再建築不可」?売却と解体の注意点

相続・空家

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

相続した実家が「再建築不可」だった場合、いちばんやってはいけないのが「古いし、とりあえず更地にしておこう」と先に解体してしまうことです。結論から言うと、まず役所で前面道路の種別を調べ、建て直せる道(セットバック・43条の認定/許可・隣地との一体化)がないかを確認してから、売る・解体するを決めてください。

「相続した実家、路地の奥にあって車も入らないけど大丈夫なのかな」——そう感じたことがある方は、まずここから読んでみてください。

「再建築不可」とは?間口2mが分かれ目です

建築基準法では、建物を建てる土地は原則として「幅4m以上の道路に、2m以上接していること」が必要です。これを接道義務(せつどうぎむ)といいます。都市計画区域の中にある土地が対象です。

この条件を満たしていないと、今建っている家に住み続けることはできますが、取り壊して新しく建て直すことができません。これが「再建築不可」の正体です。

  • ☐ 前面の道の幅は4m以上あるか
  • ☐ 土地が道路に接している部分(間口)が2m以上あるか
  • ☐ その「道」は、そもそも建築基準法上の道路として認められているか

3つ目が意外な落とし穴です。見た目は道でも、法律上は「ただの通路」という土地は珍しくありません。

なぜそんな家が存在するのか

建築基準法ができたのは1950年です。それより前に建った家や、昔ながらの路地が残る地域では、今のルールに合っていない家がそのまま残っています。大阪市内の古い長屋や、路地の奥に建つ一戸建てが典型です。親の代では問題なく住めていたため、相続して初めて知るケースがほとんどです。

調べ方は3ステップ

①
納税通知書などで
土地の場所を特定
→
②
役所の建築指導課で
前面道路の種別を調べる
→
③
現地で間口の幅を
メジャーで測る

大阪市なら計画調整局 建築指導部が窓口です。所有者でなくても、場所さえ分かれば道路の種別は相談できます。あわせて、相続した実家の「境界」が不明?測量費用と進め方で解説した境界の確認も同時に進めると二度手間になりません。

建て直せるようにする方法は3つ

方法 内容 向いているケース
セットバック 道路の中心線から2m下がって建てる 幅4m未満の「2項道路」に接している
43条2項の認定・許可 役所に申請し、建築を認めてもらう 道路ではない通路や広い空地に接している
隣地と一体にする 隣の土地の一部を買う・借りる、または隣地所有者に売る 協力してくれる隣人がいる

43条2項の認定・許可は、各自治体の建築審査会の同意を得て特定行政庁が判断する制度です。あらかじめ決められた「包括同意基準」に当てはまれば、手続きが簡略化されます。手数料は自治体によって異なります(大阪府の例では33,000円)。使えるかどうかはケースバイケースなので、必ず事前相談をしてください。

2025年4月からリフォームのルールも変わりました

ここが重要

2025年4月1日施行の改正建築基準法で、木造2階建ての住宅なども「大規模の修繕・大規模の模様替」を行う際に建築確認が必要になりました。壁や柱、屋根などを大きく作り直す工事が対象です。再建築不可の土地では建築確認が下りにくいため、「建て替えがダメでも大規模リフォームで何とかしよう」という作戦が以前より難しくなっています。

一方で同じ改正では、既存不適格の建物について、用途を変えず市街地環境への影響が増えないと認められる場合は接道の現行基準を適用しない、という緩和も入りました。判断は専門家と役所に委ねる部分が大きいので、工事前に建築士へ相談するのが確実です。

解体は最後の判断にしてください

再建築不可の土地を更地にすると、家が建てられない空き地が残ります。空き家の解体費用相場は?解体前の確認ポイント7つでも触れたとおり、解体によって住宅用地の特例が外れ、固定資産税が上がることもあります。「建物付きのまま売る」という選択肢を、必ず解体見積もりと並べて比べてください。

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よくある質問

Q. 再建築不可の家は、まったく売れないのでしょうか?
A. 売れます。ただし相場より安くなりやすく、住宅ローンも通りにくいため、隣地の所有者や専門の買取業者が主な買い手になります。

Q. 古くなってきたし、とりあえず更地にしておこうと思うのですが…
A. 先に解体するのは危険です。家が建てられない空き地になるうえ、固定資産税が上がる場合もあります。調査が先です。

Q. 自分で調べられますか?
A. 道路の種別は役所の窓口で確認できます。ただし間口や境界の正確な測定は、土地家屋調査士など専門家に依頼するのが確実です。

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