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大阪「ミシュラン店」はなぜ破産?30店舗拡大に学ぶ閉店判断

飲食経営

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

大阪のミシュラン一つ星「LIAISON」はなぜ破産したのか

大阪のミシュラン一つ星フレンチ「LIAISON(リエゾン)」を運営していた株式会社The DININGが、2026年9月3日までに事業を停止し、自己破産の準備に入りました(帝国データバンク調べ、負債約12億円)。「うちも人ごとじゃないかもしれない」「繁盛しているように見えたのに、なぜ」と感じた経営者様も多いのではないでしょうか。結論から言うと、今回の教訓は「価格転嫁の遅れ」と「縮小・譲渡の決断タイミング」にあります。

何が起きたのか:売上23億円でも赤字が続いた理由

The DININGは2011年設立。2017年に大阪・福島でLIAISONを開業し、2018年にミシュランガイドで一つ星を獲得しました。その後、宮崎料理や串揚げ、海鮮居酒屋など多様な業態で大阪・京都・名古屋・東京へと出店を加速し、ピーク時には約30店舗まで拡大。2025年9月期の売上高は約23億5000万円に達していました(帝国データバンク調べ)。

しかし、積極出店に伴う初期投資や賃料の負担に加え、原材料価格や人件費の上昇分を十分に販売価格へ転嫁できず、営業損益段階の赤字が続きました。コロナ禍で猶予されていた金融債務の返済が再開したことも資金繰りを圧迫し、事業継続を断念しています。

数字で見る、破産に至るまでの道のり

実は同社は、最後まで無策だったわけではありません。段階的に店舗の整理・譲渡を進めていました。

時期 出来事
2024年名古屋の1店舗を営業譲渡
2025年5月宮崎料理店2店舗を営業譲渡
2026年2月6店舗(宮崎ゑびす、味味香など)を営業譲渡
2026年9月事業停止、自己破産の準備へ(負債約12億円、債権者約300名)

出典:帝国データバンク調べ、JC-NET報道(2026年9月17日)

早期の「事業譲渡」判断が持つ意味

注目したいのは、破産に至る前から複数店舗を「営業譲渡」という形で引き継いでもらっていた点です。全店を一度にたたむのではなく、採算が厳しい店舗から順に譲渡先を探すことで、閉店コストや従業員への影響を一定程度抑えられます。これは大手チェーンだけの話ではなく、大阪の個人店・小規模チェーンにとっても同じことが言えます。「もう限界かもしれない」と感じてから動き出すのでは遅く、数字が悪化し始めた早い段階で「続ける」か「譲る」かを検討することが、結果的に手元に残るお金を増やすことにつながります。


店舗別損益の可視化

価格転嫁の検討

縮小・譲渡の判断

不動産会社への相談

撤退判断のセルフチェック

  • ☐ 店舗ごとの損益を月次で把握しているか
  • ☐ 原材料・人件費の上昇分を、価格に転嫁できているか
  • ☐ 赤字が続く店舗について「居抜き譲渡」で引き継いでもらう選択肢を検討したか
  • ☐ 譲渡・移転先の候補について、複数の不動産会社に相談したか

以前お伝えした飲食店オーナー必見!閉店費用を大幅削減できる「居抜き譲渡」とは?でも触れたとおり、居抜き譲渡は原状回復費用を抑えながら次の展開に進める有効な手段です。売上が大きくても、コストを吸収しきれなければ資金繰りは悪化します。「潰れる前に」動けるかどうかが、経営者としての分かれ道になります。実際に閉店・譲渡を決めた後の具体的な進め方は、飲食店を閉めるとき、何から始める?失敗しない閉店準備の7ステップで解説していますので、あわせてご確認ください。

テナント探し・戦略的な閉店のご相談はこちら

大阪での出店をご検討中の飲食店経営者様、採算や家賃の見直しから計画的な移転・閉店・居抜き売却を検討中の飲食店経営者様、どちらのご相談も株式会社不動産スペースまでお気軽にお問い合わせください。

株式会社不動産スペース

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よくある質問

Q1. ミシュランに載るような人気店でも潰れるのはなぜですか?
A1. 知名度や評価が高くても、出店コストや原材料・人件費の上昇分を十分に価格へ転嫁できなければ利益は残らず、資金繰りが悪化します。

Q2. 「もう潰れるかもしれない」と感じたら、まず何をすればいいですか?
A2. まずは店舗ごとの収支を数字で把握し、赤字が続く店舗は早めに居抜き譲渡や事業譲渡の可能性を不動産会社に相談することをおすすめします。

Q3. 居抜き譲渡と破産は何が違うのですか?
A3. 破産は事業を終了させる手続きですが、居抜き譲渡は営業中に設備ごと店舗を次の運営者に引き継いでもらう方法で、原状回復費用を抑えながら撤退・転換できます。

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