
賃貸トラブル相談9万件増「原状回復」オーナーの確認点
2025年度に全国の消費生活センターに寄せられた相談は100万6千件で、前年度から約9万件増えました。中でも「賃貸アパート・マンション」への相談は約8千件増え、退去時の原状回復(借りていた部屋を元の状態に戻す工事のことです)をめぐるトラブルが目立っています(国民生活センター、2026年8月5日発表)。大阪で賃貸経営をされているオーナーの皆様にとっても、他人事ではない数字です。
何が増えているのか
国民生活センターの発表によると、2025年度の消費生活相談は100.6万件となり、2024年度の91.3万件から約9万件増えました。商品・サービスの分野別で見ると、「賃貸アパート・マンション」が約8,000件増えたほか、「他の役務サービス」も約8,000件、「紳士・婦人洋服」も約7,000件増えています。契約の当事者の年代では、70歳以上の割合が25.6%と最も高くなりました(同発表)。賃貸アパート・マンションの相談のうち多くを占めるのが、退去時の原状回復をめぐるトラブルだと同センターは説明しています。
| 前年度から相談が増えた主な分野 | 増加件数(目安) |
|---|---|
| 賃貸アパート・マンション | 約8,000件増 |
| 他の役務サービス | 約8,000件増 |
| 紳士・婦人洋服 | 約7,000件増 |
(出典:国民生活センター「2025年度 全国の消費生活相談の状況」2026年8月5日発表)
なぜオーナーにとって「他人事」ではないのか
原状回復のトラブルは、国と入居者の間だけの話に見えるかもしれません。しかし実際にその窓口に立つのは、日々の管理を任せている管理会社です。退去時のトラブルが長引けば長引くほど、次の入居者を迎えるまでの空室期間が延び、オーナー様の家賃収入に直接影響します。今回の発表は管理会社向けのニュースに見えますが、ご自分の管理会社が退去のたびにきちんと説明・記録を行ってくれているか、一度確認してみる良いきっかけになりそうです。
オーナーが管理会社に確認したい3つのポイント
- ガイドラインに沿った説明をしているか:国の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(国土交通省)では、経年劣化(時間が経つことによる自然な傷み)や通常の使用による傷みはオーナー負担、入居者の故意・過失による傷みは入居者負担、という原則が示されています。
- 退去時の立会いと写真での記録:入居時・退去時の状態を写真で残しておくことは、あとから「言った・言わない」のトラブルになるのを防ぐ、シンプルで効果の高い方法です。
- 高齢の入居者への丁寧な説明体制:今回の発表でも契約当事者の70歳以上の割合が最も高くなっています。契約内容や退去時の費用について、口頭だけでなく書面でわかりやすく伝えているかどうかも、管理会社の実務レベルを見極める材料になります。
なお、家賃が滞納がちなテナントほど、原状回復費用の負担を避けて解約を渋るケースもあります。そうした場合、居抜きのまま次の借り主に引き継ぐことで、オーナー様は家賃が途切れる期間を抑えられますが、設備の仕様が引き継ぎ先と合うかどうかの確認は別途必要です。
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よくある質問
Q. 原状回復の費用は誰が負担するのですか?
A. 経年劣化や通常の使用による傷みはオーナー負担、入居者の故意・過失による傷みは入居者負担というのが国のガイドラインの原則です。
Q. なぜ賃貸トラブルの相談がこんなに増えているのですか?
A. 国民生活センターによると、退去時の原状回復をめぐる説明不足や認識のズレが主な要因の一つとされています。
Q. 管理会社に何を確認すればよいですか?
A. ガイドラインに沿った説明をしているか、退去時の立会い・写真記録を行っているか、契約内容を書面で丁寧に伝えているかの3点がポイントです。
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