
大阪の民泊、駆け込み1000件超で稼働率急落
本記事は、2026年8月18日にお伝えした「大阪市『特区民泊』新規停止、空室活用オーナーの次の一手」の続報です。あの記事の裏側で今、大阪市内の民泊事業者の間では稼働率(部屋が実際にどれだけ埋まったかの割合)の急激な落ち込みが起きています。大阪市内で民泊を運営する事業者への取材によると、口コミ評価の高い施設でも予約が伸びず、9月分の予約はまだ1週間分ほどしか埋まっていないといいます。
なぜ急に予約が減ったのか
大阪市は、近隣トラブルの増加などを理由に、「特区民泊」(旅館業法の許可がなくても運営できる民泊の制度)の新規受け付けを2026年5月29日で終了する方針を、2025年11月28日に内閣総理大臣の認定を受けて決定しました(大阪市公式サイト)。
この「締め切り」を前に、駆け込みで申請する動きが相次ぎました。報道によれば、5月25日時点で1日あたり70件程度のペースで申請が集まり、その時点ですでに800件を超えていたといいます(産経新聞報道)。さらに、5月29日の締め切りまでに、5月の申請だけで1000件を超える見通しだとも報じられています(関西テレビ・FNNプライムオンライン報道)。つまり、締め切りが近づくにつれて申請のペースが加速し、短期間に大量の民泊施設が一気に生まれたということです。お客さんの数がそこまで急に増えたわけではないのに、部屋の数だけが急増すれば、1施設あたりの予約は当然減ります。これが、稼働率が落ち込んでいる大きな理由の一つと考えられます。
これに加えて、取材した事業者は「2025年の大阪・関西万博をきっかけに大阪観光をした人たちの需要がひと段落したのではないか」とも話していました。こちらは事業者の見立てであり、公的な統計で確認されたものではない点にご注意ください。
ポイント:お客さんの数が急に増えていないのに、部屋の数だけが一気に増えれば、1施設あたりの予約は減ります。これが今の稼働率急落の構図です。
特区民泊はもう選べない―オーナーが今、考えるべき次の一手
前回の記事では、空室に悩むオーナーの選択肢の一つとして特区民泊をご紹介しました。しかし新規受け付けがすでに終了した今、まず受け止めるべきは「その選択肢自体がなくなっている」という現実です。「立地が良ければ今からでも間に合う」という話ではありません。新しく土地や物件を用意しても、特区民泊として認定を受けることはもうできないからです。
将来、大阪市が新規受け付けを再開すれば選択肢として戻ってくる可能性はありますが、それはあくまで「頭の片隅に置いておく」程度の話です。今すぐの空室対策として当てにするのは現実的ではありません。
なお、特区民泊とは別に、住宅宿泊事業法にもとづく「新法民泊」(営業日数が年間180日以内に制限される制度)は、今も申請すること自体は可能です。ただし年間の営業日数に上限がある分、特区民泊(年間365日営業可能)に比べると収益力は見劣りします。
オーナーにとって一番大切なのは、家賃収入が途切れず安定して入ってくることです。特区民泊という選択肢がなくなった今、空室対策は「長期の賃貸借契約で埋める」「新法民泊で部分的に活用する」「他の用途に転用する」など、次の一手を改めて考える時期に来ています。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2025年11月28日 | 特区民泊の新規受け付け終了方針を内閣総理大臣が認定 |
| 2026年5月29日 | 新規受け付けの締め切り |
| 2026年5月25日時点 | 駆け込み申請が800件を超える(産経新聞報道) |
| 2026年5月(月間の見通し) | 駆け込み申請が1000件を超える見通しと報道(関西テレビ・FNN報道) |
(出典:大阪市公式サイト、産経新聞報道、関西テレビ・FNNプライムオンライン報道)
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よくある質問
Q. 大阪市の特区民泊は、もう新しく始められないのですか?
A. 新規の受け付けは2026年5月29日で終了しています。すでに認定を受けた施設は営業を続けられますが、部屋数を増やす変更なども原則認められません。
Q. 特区民泊はもう空室対策の選択肢にならないのですか?
A. 新規受け付けはすでに終了しているため、今から始めることはできません。ただし年間180日以内の営業に限られる「新法民泊」は、別の制度として引き続き申請できます。
Q. 稼働率とは何ですか?
A. その部屋が実際に何日、お客さんに使われたかの割合です。稼働率が低いほど、部屋が空いている日が多いということになります。
