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大阪市の基準地価6.7%上昇、投資家が見るべきエリア格差

不動産投資

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

大阪市の住宅地が6.7%上昇、大阪圏は東京圏と並んで拡大

2026年9月15日、国土交通省が「基準地価」(2026年7月1日時点の地価)を発表しました。大阪市の住宅地は前年比6.7%の上昇、大阪圏全体でも2.3%の上昇と、東京圏と並んで上昇幅が拡大している一方、名古屋圏は逆に伸びが鈍っています(国土交通省「都道府県地価調査」)。「結局、今から大阪で物件を買っても大丈夫なの?」「もう出遅れたんじゃないか」と不安に思う方もいるかもしれませんが、結論から言うと、大阪は依然として地価の勢いが強いエリアです。ただし、その中身をよく見ると「エリアによる差」が広がり始めている点には注意が必要です。

「基準地価」って何?「地価公示」と何が違うの?

まず言葉の整理をします。「地価公示」は毎年1月1日時点の土地の価格を3月に発表するもので、「基準地価」(正式には都道府県地価調査)は7月1日時点の価格を9月に発表するものです。同じ土地の価格を、半年ずらして2回チェックしているイメージだと考えると分かりやすいです(国土交通省)。今回発表された基準地価は、1月以降の半年間、つまり直近の値動きを映した、いちばん新しいデータということになります。

大阪圏は上昇幅が拡大、名古屋圏は鈍化

エリア(住宅地) 2026年の上昇率 前年の上昇率
東京圏 +4.0% +3.9%
大阪圏 +2.3% +2.2%
名古屋圏 +1.5% +1.7%

(出典:国土交通省「令和8年都道府県地価調査」、不動産エコノミスト・吉崎誠二氏によるLIFULL HOME'S PRESS記事より作成)

全国平均では住宅地が1.0%、商業地が2.9%の上昇で、いずれも5年連続のプラスです。中でも東京圏・大阪圏は上昇幅が拡大した一方、名古屋圏は2年連続で伸びが鈍化しました。3大都市圏の中でも「勢いのある都市」と「そうでない都市」の差が、去年よりもはっきりしてきたと言えます。

さらに大阪市に絞ると、住宅地の上昇率は6.7%と、東京23区(8.7%)に次ぐ高い伸びを見せています(同資料)。都心の再開発が進むエリアを中心に、商業地でも大阪は8.8%の上昇と報じられており(日本経済新聞)、大阪圏全体の中でも「大阪市中心部」の強さが際立つ結果になりました。

「中心部だけが強い」ことの意味

ここで押さえておきたいのは、大阪圏全体の伸び(2.3%)と、大阪市の伸び(6.7%)に大きな差がある、という点です。つまり、大阪圏の地価上昇は、都心から郊外へ均等に広がっているわけではなく、中心部に引っ張られている面が大きいということです。今後は、都心から近い周辺区には勢いが波及しつつも、外縁部(都心から離れたエリア)では伸びが弱まりやすく、「どのエリアを選ぶか」がこれまで以上に重要になってきそうです。


基準地価で大まかな方向性を確認

候補エリアが都心型か郊外型かを整理

個別物件の路線価・成約価格を確認

金利動向も踏まえて購入時期を検討

物件エリアを選ぶ際のチェックポイント

  • ☐ 候補エリアが大阪市中心部(都心型)か、郊外(外縁部)かを整理したか
  • ☐ 同じ沿線・同じ区内でも、駅からの距離で価格差が広がっていないか確認したか
  • ☐ 地価公示・基準地価だけでなく、実際の成約価格の動きも合わせて確認したか
  • ☐ 今後の金利動向が返済負担にどう影響するか、大まかにシミュレーションしたか

以前の記事「大阪の「路線価」5年連続上昇、江坂駅前は+18.1%―サラリーマン投資家が知っておきたい路線価の読み方」でも触れましたが、地価のデータは種類ごとに調査時点や目的が異なります。今回の基準地価は「直近の値動きを知るための最新データ」として活用し、実際の購入判断では、成約価格や利回りといった数字も合わせて確認することをおすすめします。なお、中古マンションの売り出し価格と実際の成約価格には差が出やすい点について、大阪中心部の中古マンション「売値と成約値」の差が2,397万円に拡大!ワニの口が示す投資の注意点でも解説していますので、あわせてご確認ください。

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よくある質問

Q1. 基準地価と地価公示、投資家はどちらを見ればいいですか?
A1. どちらも大切な指標です。地価公示(1月時点・3月発表)と基準地価(7月時点・9月発表)を合わせて見ることで、直近半年の値動きまで把握できます。

Q2. 大阪はもう地価が上がりきってしまって、今から買うのは遅いのでしょうか?
A2. 大阪圏全体では上昇が続いていますが、都心部と郊外で伸びに差が出てきています。エリアによっては引き続きチャンスがあると考えられます。

Q3. 名古屋圏が鈍化しているのはなぜですか?
A3. 建築費の高騰などを背景に、地方都市では上昇幅が伸び悩む傾向が出ています。詳しい要因は今後の分析を待つ必要があります。

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