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大阪中古マンション「ワニの口」7月縮小のカラクリ

不動産投資

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

※8月6日にお伝えした「大阪中心部の中古マンション「売値と成約値」の差が2,397万円に拡大!ワニの口が示す投資の注意点」の続報です。

7月は「ワニの口」が縮小、でも喜ぶのはまだ早い

「大阪の中古マンション、そろそろ落ち着いてきたのかな」と感じている方もいるかもしれません。2026年7月、大阪市中心6区では売り出し価格と成約価格の差(いわゆる「ワニの口」)が1,631万円まで縮まりました。6月の2,397万円から大きく縮小した形です(近畿レインズ調べ、ダイヤモンド不動産研究所まとめ)。ただし縮んだ理由は「双方の価格が下がったなかで、売り出し価格の下げ幅の方が大きかっただけ」で、売り手の強気な値付けと買い手の実勢価格との距離が根本的に縮まったわけではありません。

7月は大阪府全体で成約価格が下落

近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)のデータによると、2026年7月の大阪府全体の中古マンション成約価格は3,498万円で、前月比-5.4%、前年同月比-3.2%でした。成約件数も808件(前年比-3.6%)と減少し、成約㎡単価も55.67万円/㎡(前年比-1.1%)と下がっています。一方で、新しく売りに出された物件(新規登録件数)は3,419件(前年比+6.0%)と増え続けています(近畿レインズ調べ)。

注意:「売出価格」と「成約価格」は同じ部屋を追いかけた数字ではありません。売出価格はその月に新しく売りに出された物件の平均、成約価格はその月に実際に契約が決まった物件の平均です。集計対象そのものが違うため、単純に「下がった」「上がった」と比べる際は注意が必要です。

エリアによって「縮んだ理由」がまったく違う

大阪市中心6区・18区・府北部の3エリアで、6月と7月の「ワニの口」(売出価格と成約価格の差)を比べると、次のようになります。

エリア 6月の差額 7月の差額 動きの中身
大阪市中心6区 2,397万円 1,631万円 成約・売出とも下落、下げ幅は売出の方が大きい
大阪市18区 385万円(成約が上回る) 77万円(成約が上回る) 成約価格が急落し、売り手優位がほぼ消える
大阪府北部 404万円 291万円 縮んだが、依然として売り手優位が続く

(近畿レインズ調べ、ダイヤモンド不動産研究所まとめ)

大阪市中心6区は、成約価格も5,826万円(前年比-5.7%、前月比-2.1%)と2か月連続の下落です。ただし売出価格も7,457万円(前月比-10.7%)と大きく下げており、単に「両方下がって差が縮んだ」だけと見るのが実態に近いでしょう。一方、大阪市18区は成約価格が2,935万円(前月比-7.8%)へ急落し、これまで「市場に出てくる物件より高い水準で決まる」売り手優位の状態がほぼ解消しています。

もうひとつ注目したいのが、中心6区の成約物件の平均築年数です。7月は20.06年で、6月の23.00年から一気に若返りました。5月も20.01年だったため、6月だけ一時的に築古物件の成約が増えたとみるのが自然です(近畿レインズ調べ)。専有面積も56.25㎡(前年比-5.3%)と6エリア中もっとも狭く、㎡単価の高騰を受けてコンパクトな住戸に成約が集中する傾向がうかがえます。

サラリーマン投資家が確認すべきポイント

  • 「差が縮んだ=買いやすくなった」と単純に判断しない。両方が下がって差が縮んだだけのケースがある
  • エリアによって縮小・拡大の方向がバラバラなので、検討中のエリアごとに直近数か月の動きを必ず確認する
  • 大阪市18区のように売り手優位が崩れつつあるエリアは、指値交渉の余地が広がっている可能性がある

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よくある質問

Q. 「ワニの口」が縮んだのは、大阪の中古マンションが買いやすくなったサインですか?
A. 一概には言えません。今回は売出価格の下げ幅が成約価格の下げ幅より大きかったために差が縮んだだけで、相場観のズレが解消したとは限りません。

Q. どのエリアが一番投資しやすいですか?
A. エリアごとに需給の方向が異なるため、一つに決めつけず、検討中のエリアの直近数か月の成約価格・件数の推移を必ず確認しましょう。

Q. 前回(6月データ)の記事と何が変わりましたか?
A. 6月は売り手の希望価格と買い手の実勢価格の差が拡大していましたが、7月は多くのエリアで差が縮小に転じました。ただしその中身はエリアごとに異なります。

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