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大阪市の家賃「タイプ別」に明暗、オーナーの物件戦略

不動産管理

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

大阪市の賃貸マンションの家賃は、この1年でタイプによってはっきり明暗が分かれました。シングルタイプは4.5%上がった一方、コンパクトタイプ(1LDKなど)は2.3%下がっています(三井住友トラスト基礎研究所・アットホーム調べ)。「うちの物件、最近ずっと家賃を上げられていない気がする」と感じているオーナー様は、物件のタイプそのものが、今の大阪の市場と合っていない可能性があります。

大阪市の家賃、この1年の動き

タイプ前年同期比傾向
シングル+4.5%堅調に上昇
ファミリー+4.4%堅調に上昇
コンパクト-2.3%下落
総合+1.4%緩やかに上昇

(三井住友トラスト基礎研究所・アットホーム「マンション賃料インデックス」2026年第1四半期、2026年6月22日公表)

単身世帯の流入が続くシングルタイプと、分譲マンション価格の高騰で購入を見送る世帯が滞留するファミリータイプは需要が底堅く、賃料が上がりやすい状況です。一方コンパクトタイプは新築の供給が増え続けており、他のタイプに比べて空室率がやや高く、賃料は弱含んでいます(同調査による)。

なぜ「タイプ」がオーナーにとって重要なのか

賃貸経営で一番大切なのは、入居率そのものよりも、家賃収入が途切れず安定して入ってくることではないでしょうか。以前お伝えした家賃値上げ通知が17%に、大阪家主の正しい進め方修繕費14年連続上昇、初の2.5万円台で大阪オーナーの備えでもお伝えしたとおり、賃貸経営を取り巻くコストは年々重くなっています。そんな中で、需要が伸びているタイプの物件は多少強気の家賃設定でも決まりやすく、需要が弱いタイプは家賃を据え置いても空室期間が長引きやすい、という違いが出てきます。空室が出たタイミングは、間取りやリノベーションの方向性を見直す数少ないチャンスです。

新築時の「満室までの期間」にも要注意

ここでもう一つ、実務の視点からお伝えしたいことがあります。コンパクトタイプの新築物件は、供給が多い一方でプレミアム価格でも早期に満室になりやすい傾向があります。逆にファミリータイプの新築物件は、戸数が増えても子育て世帯などの需要はそれほど多くないため、満室になるまでに時間がかかることが少なくありません。ただし、一度満室になってしまえば、新築時の苦労が嘘のように経営が安定するのもファミリータイプの特徴です。入居者の質が高く、入居期間が長い傾向にあるため、長期的にはコンパクトタイプより底堅い賃貸経営につながりやすいといえます。

ファミリータイプへの投資を考える場合は、コンパクトタイプより「竣工から満室になるまでの期間」を長めに見ておくことが大切です。この期間はローンの返済額が家賃収入を上回りやすく、資金計画にあらかじめ織り込んでおかないと、経営が苦しくなる時期が生まれてしまいます。

ご自身の管理会社、タイプ別の動きを教えてくれていますか

このデータはもともと不動産の専門家や管理会社向けの統計ですが、オーナーの皆様にとっても他人事ではありません。ご自分の管理会社が、こうした地域・タイプ別の需給の変化を踏まえて、募集条件やリノベーションの提案をきちんとしてくれているか、一度確認してみるとよいでしょう。「言われるままに家賃を下げていたけれど、本当にそれが適切だったのか分からない」という方は、次のチェックリストで確認してみてください。

確認したいチェックリスト

  • ☐ 自分の物件のタイプ(シングル・コンパクト・ファミリー)を把握しているか
  • ☐ 空室が出た際、間取り変更やリノベーションの提案を管理会社から受けたことがあるか
  • ☐ 近隣にある同じタイプの募集家賃と、自分の物件の家賃を比較したことがあるか
  • ☐ 採用が厳しいと言われる管理業界の中で、担当者がきちんと動いてくれているか

なお、採用「厳しい」不動産会社6割、大阪家主の確認点でもお伝えしたとおり、管理会社側の人手不足で、こうした細かい提案が後回しになっているケースも見受けられます。

相続で物件を引き継いだ方へ

長年ご自身で賃貸経営をされてきたオーナー様だけでなく、ご実家や親族の物件を相続で急に引き継ぎ、「シングルもコンパクトも、正直違いがよく分からない」という方もいらっしゃると思います。まずは自分の物件がどのタイプにあたり、今の大阪の市場でどう評価されているのかを知ることが第一歩です。一人で抱え込まず、地域の事情に詳しい不動産会社に早めに相談することをおすすめします。

管理会社選び・物件戦略のご相談はこちら

管理会社との契約内容の確認や管理会社選び・見直しでお悩みのオーナー様はもちろん、ご実家や親族の物件を相続したものの何から手をつければよいか分からないという方も、株式会社不動産スペースまでお気軽にお問い合わせください。

06-6195-8209

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よくある質問

Q1. コンパクトタイプはもう投資対象として良くないのでしょうか?
A1. 一概には言えません。エリアや駅からの距離によっては底堅い需要が続く物件もあるため、周辺の同タイプ物件との比較が重要です。

Q2. 家賃が上がらないのは、管理会社のせいなのでしょうか?
A2. 管理会社だけの問題とは限りません。物件のタイプ自体が今の需要と合っていない可能性もあるため、まずはデータで確認することをおすすめします。

Q3. 大阪市と大阪広域(周辺市)で違いはありますか?
A3. 同調査では大阪市のほか大阪広域(吹田市・豊中市など)も公表されており、エリアによって傾向が異なるため、自分の物件がある地域のデータを確認することが大切です。

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