
大家の入居拒否「7割」孤独死不安「9割」空き家活用に国が新支援
「空室はどうしても埋めたいけれど、高齢の方や障がいのある方を受け入れるのは正直不安…」——そう感じたことのあるオーナー様は、決して少数派ではありません。国土交通省の資料によると、高齢者・障がい者の入居に拒否感を持つ大家は約7割、そのうち「孤独死が心配」という理由が約9割を占めています(国土交通省調べ)。この本音を踏まえ、国は2026年8月28日、来年度(令和9年度)の予算「概算要求」を公表し、空き家を活用した賃貸住宅への融資制度など、新しい後押し策を打ち出しました。
概算要求ってそもそも何?
「概算要求」とは、各省庁が「来年度はこれだけの予算がほしい」と財務省に提出する「お願い」のことです。まだ国会で決まったわけではなく、年末の政府予算案、1〜3月の国会審議を経て、来年3月末にようやく正式に決まります。今回発表されたのは、あくまで国土交通省の「要求」段階だという点は押さえておきましょう。
資料が映す「大家の本音」
今回の資料には、賃貸経営者の実感に近い数字が並んでいます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 高齢者・障がい者の入居への拒否感 | 約7割 |
| 拒否理由のうち「孤独死が心配」 | 約9割 |
| 民間賃貸住宅の空き家数(2023年) | 444万戸 |
| 単身高齢者世帯(2020年→2030年予測) | 738万→887万世帯 |
(いずれも国土交通省「令和9年度住宅局関係予算概算要求概要」による)
新しく検討されている後押し策
こうした不安を和らげるため、来年度は次のような施策が新規・拡充で要求されています。
| 施策名 | 内容 | 状況 |
|---|---|---|
| 空き家活用の賃貸住宅融資制度 | 住宅金融支援機構が、空き家のサブリース事業などのリフォーム資金に融資 | 新規要求 |
| 居住サポート住宅モデル事業 | 管理会社と居住支援法人が連携し、見守り付きで要配慮者の住まいを確保 | 新規要求 |
| 空き家対策総合支援事業 | 老朽空き家の除却・活用への補助を拡充 | 拡充要求(70.80億円) |
大阪府内でも、大阪市・堺市・豊中市などですでに「居住支援協議会」の設置が進んでおり(大阪府・大阪市発表)、管理会社がこうした協議会や支援法人とつながっているかどうかで、使える制度の幅が変わってきます。
概算要求
(8月末)
財務省の査定
年末に
予算案決定
国会審議
3月末成立
制度スタート
管理会社に確認したいことチェックリスト
- ☐ 自分の物件で高齢者・障がい者の入居を断った経験があるか、理由を振り返ったか
- ☐ 管理会社が地域の居住支援協議会・居住支援法人とつながりがあるか確認したか
- ☐ 空き家を賃貸に出す際に使える国の融資・補助制度の最新情報を聞いたか
- ☐ 親族から相続した物件について、何から手をつければよいか整理できているか
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よくある質問
Q1. 概算要求に書かれた制度は、もう使えますか?
A. まだ使えません。概算要求は「要求」の段階で、年末の予算案決定、国会審議を経て来年3月末に正式に決まります。
Q2. 高齢者や障がいのある方の入居を断っても問題はないのでしょうか?
A. 法律上の制限は状況によりますが、国は「孤独死の不安」を和らげる見守りサービス付きの制度を用意しつつあります。拒否ありきで考える前に、選択肢を管理会社に聞いてみる価値はあります。
Q3. うちの管理会社、こういう制度をちゃんと調べてくれているか不安です。どうすればいいですか?
A. 「居住支援協議会や居住支援法人と連携していますか」と直接尋ねてみるのが確実です。答えがあいまいな場合は、管理会社の見直しを検討する材料になります。
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参考
- 令和9年度 住宅局関係 予算概算要求概要|国土交通省住宅局
- 【令和8年8月28日】国土交通省 令和9年度予算概算要求概要等を公表|国土交通省
- 大阪府居住支援連携体制構築促進事業|大阪府
- 大阪市居住支援協議会を設置します|大阪市
※予算の内容・金額は概算要求段階であり、実際の制度・補助額は今後の国会審議等により変更される可能性があります。最新情報は国土交通省の発表でご確認ください。
