
家賃滞納リスクは「入居後6カ月」でわかる?大阪発の新視点
家賃債務保証会社向けシステムを手がけるリース株式会社は、大阪大学特任教授・大竹文雄氏の監修のもと、「入居後6か月の間に家賃の支払いが2回以上遅れた人は、その後も深刻な滞納に陥りやすい」とする分析結果を2026年6月30日に発表しました。「入居者は決まったけれど、この先もちゃんと家賃を払い続けてくれるだろうか」と、ふと不安になるオーナー様は多いのではないでしょうか。この新しい視点を、日々の賃貸経営にどう活かせるか見ていきましょう。
年収より「支払いの癖」が滞納を予測する?
これまで日本の入居審査では、年収や勤務先といった「静的な属性」が重視されてきました。ところが今回の分析では、それとは違う角度から興味深い結果が出ています。行動経済学(人の実際の行動から経済を読み解く学問)の第一人者である大竹文雄氏(大阪大学特任教授)の監修のもと、リース株式会社が家賃の支払い履歴を調べたところ、入居後6か月の間に2回以上の支払い遅れがあった人は、その後も深刻な連続滞納に陥るリスクが高いことが分かりました(リース株式会社調べ)。
毎月の家賃を期日通りに払えるかどうかは、①先延ばしにしてしまう癖の強さ、②いざという時のお金の余裕、③口座振替など「うっかり忘れ」を防ぐ仕組みを使っているか、という3つを映し出していると考えられています。年収が高くても、この3つが揃っていなければ、支払いが不安定になることがあるのです。
海外では支払い履歴が信用情報に
海外では、家賃の支払い履歴を信用評価に組み込む動きがすでに進んでいます。
| 国 | サービス・仕組み | 概要 |
|---|---|---|
| 米国 | Fannie Mae(連邦住宅抵当公社) | 住宅ローン審査に家賃支払履歴を正式に組み込み |
| 米国 | Experian Boost | 家賃・公共料金の支払実績をクレジットスコアに反映 |
| 英国 | Rental Exchange/Credit Ladder | オープンバンキングを使い、支払い実績を信用構築に活用 |
日本ではまだこうした仕組みは一般的ではありませんが、「入居後早い時期の支払い状況」に注目するという発想は、これからのオーナー様の物件管理にも取り入れられそうな視点です。
オーナー様が今日から確認したいこと
入居者が決まった後の6か月間は、実は家賃収入の安定を左右する大事な期間だといえます。管理会社や家賃保証会社と連携しながら、次の点を確認してみましょう。
- ☐ 管理会社・保証会社から毎月の入金状況の報告を受けているか
- ☐ 支払いが1~2回遅れた時点で、入居者へ早めに連絡が行く体制になっているか
- ☐ 口座振替など、支払い忘れを防ぐ仕組みが入居者に案内されているか
- ☐ 相続などで急にオーナーになった場合、管理会社に最近の支払い状況を確認したか
家賃保証会社をつけているから安心、と考えがちですが、保証はあくまで一時的に家賃を立て替える仕組みです。滞納が続けば入居者との関係がこじれ、退去交渉や原状回復に時間がかかることもあります。管理会社が入居後の支払い状況をどれだけこまめに確認・フォローしてくれているかは、管理会社選びや見直しの際の判断材料の一つになります。管理会社の実務対応を見極める視点については、以前の記事「管理会社の元社員が着服!大阪のオーナーが今すべき点検」もあわせてご覧ください。
なお、親や祖父母の物件を相続で急に引き継ぎ、「何から確認すればいいか分からない」という方もいらっしゃると思います。そうした場合はまず管理会社に、現在の入居者の支払い状況や過去の滞納履歴を共有してもらうことから始めるとよいでしょう。長く安定して家賃を払い続けてもらえる物件の条件については、以前の記事「54年間、家賃を払い続けてもらえた理由―大阪・中津の名物カフェ閉店に見る「長く借りてもらえる物件」の条件」でも取り上げています。
まとめ
家賃滞納のリスクは、年収などの表面的な情報だけでは見抜けません。入居後6か月の支払い状況という新しい視点を、管理会社との連携や物件管理に取り入れてみることをおすすめします。
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よくある質問
Q1. 家賃保証会社をつけていれば、滞納はもう気にしなくても大丈夫ですか?
A. 保証会社は家賃を一時的に立て替える仕組みで、滞納そのものがなくなるわけではありません。早期発見・早期対応が引き続き大切です。
Q2. 入居後6か月はどんなことに気をつければよいですか?
A. 管理会社・保証会社から毎月の入金状況を報告してもらい、支払いが1~2回遅れた時点で早めに連絡が入る体制かを確認しましょう。
Q3. 相続で物件を引き継いだばかりで、滞納リスクなんて正直よく分かりません。
A. まずは管理会社に、現在の入居者の支払い状況や過去の滞納履歴を確認してもらいましょう。不安な場合は早めに地域の不動産会社へ相談するのも一つの方法です。
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