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エアコン「2027年問題」管理会社の提案どう判断

不動産管理

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

「エアコン2027年問題」とは何か

2027年4月から、エアコンの省エネルギー基準が引き上げられます。これにともない、一部の管理会社では「値上がりする前に」とオーナーへエアコンの交換を提案する動きが始まっています(全国賃貸住宅新聞調べ)。「うちの管理会社からもそんな話が来るかもしれない」「言われるがままに工事を発注してよいのか」と感じているオーナー様も多いのではないでしょうか。今回は、この動きの背景と、判断の材料をわかりやすく整理します。

日本には「トップランナー制度」という仕組みがあります。これは、家電などをつくるメーカーに対して「一番省エネ性能が良い製品」を基準に、業界全体の省エネ性能を引き上げさせる制度です(経済産業省 資源エネルギー庁)。このトップランナー制度にもとづき、2027年4月からエアコンの新しい省エネ基準がスタートします。

誤解しやすいポイント:これは家電メーカー側への規制であり、今すでに使っているエアコンが2027年4月から使えなくなるわけではありません。修理も、メーカーが部品を保有している期間(目安として製造終了後およそ10年間)は可能です(資源エネルギー庁)。

光熱費の削減効果は数字で見るとこれくらい

一方で、新基準のエアコンには光熱費が安くなるというメリットもあります。資源エネルギー庁の試算によると、以下のような差が出ます。

部屋の広さの目安 年間の光熱費削減効果 平均使用年数(約14年)でのトータル削減効果
6畳用(2.2kW機) 約2,760円 約4万円
14畳用(4.0kW機) 約12,600円 約18万円

(資源エネルギー庁「27年4月からエアコンの新たな省エネ基準がスタート!」より。電気料金単価は令和5年4月〜7年12月の平均値・31.75円/kWhで試算)

この数字を見ると、「今のうちに古いエアコンを新しくしておいた方が、入居者様の光熱費負担も減って喜ばれるのでは」と感じるオーナー様もいらっしゃると思います。実際、一部の管理会社は、価格が上がる前にまとめて仕入れておくことで工事費を抑え、キャンペーン価格でオーナーに交換を提案する動きを強めています(全国賃貸住宅新聞調べ)。

提案を受けたときに確認したい3つのこと

とはいえ、管理会社からの提案をそのまま受け入れるかどうかは、別の話です。今回の資源エネルギー庁の発表は本来、家電業界向けのニュースですが、賃貸経営をされているオーナーの皆様にとっても他人事ではありません。ご自分の管理会社が、こうした業界の動きをふまえたうえで、きちんと根拠や見積もりの内訳を示して説明してくれているか、一度確認してみるとよいでしょう。

  • ①今すぐ交換が必要な理由:故障や著しい能力低下がないのであれば、慌てて交換する必要はありません。
  • ②複数台まとめて交換した場合の費用対効果:管理する物件の台数が多いほど、まとめ発注によるコストメリットが出やすくなります。
  • ③入居率や家賃への影響:空調が古い物件は内見時の印象を下げやすく、特に夏場の成約に響くことがあるため、更新のタイミングを入居者の入れ替わり時期に合わせられないか相談してみましょう。

相続で物件を引き継いだばかりの方へ

親御様やご親族から物件を相続されたばかりで、こうした設備の話に不慣れな方も少なくありません。「管理会社から急に工事の提案が来て、良い話なのか判断がつかない」というのは、とても自然な不安です。一人で抱え込まず、まずは複数の見積もりを取ってみる、あるいは地域の事情に詳しい不動産会社に相談してみることをおすすめします。

まとめ

エアコンの省エネ基準引き上げは、賃貸経営における設備投資のタイミングを考え直す一つのきっかけになります。ただし、管理会社からの提案が本当にオーナー様の家賃収入の安定につながるものかどうかは、根拠を確認したうえで判断することが大切です。

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よくある質問

Q. 今使っているエアコンは2027年4月以降、使えなくなりますか?
A. いいえ。新基準はメーカーが製造・出荷する製品に適用されるもので、現在使用中のエアコンをすぐに買い替える必要はありません。

Q. エアコンの交換は今のうちにした方がお得ですか?
A. 価格が上がる可能性はありますが、故障がないのに慌てて交換する必要はありません。複数台の物件を持つ場合はまとめ発注のコストメリットも含めて管理会社に相談するとよいでしょう。

Q. 管理会社から設備交換の提案を受けたら、まず何を確認すればよいですか?
A. 交換が必要な理由、複数台まとめた場合の費用対効果、入居者の入れ替わり時期に合わせられるかどうかの3点を確認すると判断しやすくなります。

参考

※交換工事の費用や具体的な提案内容は管理会社・物件ごとに異なります。実際に工事を検討する際は、複数の見積もりを比較したうえで判断することをおすすめします。

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