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孤独死の原状回復費「61万円」に上昇、大阪家主の対策

不動産管理

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

孤独死の原状回復費、1件平均61万円に上昇

賃貸住宅で孤独死が起きた場合、原状回復にかかる費用は2024年度の1件あたり平均で61万円にのぼることが、日本少額短期保険協会の調査でわかりました(日本少額短期保険協会「第10回孤独死現状レポート」、2025年12月公表)。発見までの平均日数は19日。決して軽い負担ではありませんが、これを理由に高齢の方の入居を一律に断ってしまうと、単身世帯が増え続けるなかで空室を増やすリスクにもつながります。

孤独死は「高齢者だけの問題」ではない

日本少額短期保険協会は、いわゆる「孤独死保険」の保険金支払いデータをもとに、2015年4月から2025年3月までに発生した12,105件の孤独死を分析しました。その結果、亡くなった方の46.1%は65歳未満の現役世代でした。孤独死は高齢者に限った話ではなく、どの年代の入居者にも起こりうる問題だということです。

発見までの平均日数は19日で、3日以内に発見されたケースは全体の4割に届きません。第一発見者のうち、管理会社やオーナーなど「仕事の関係で気づいた人」が過半数(50.4%)を占めており、家主・管理会社の日常的な見回りが早期発見のカギになっていることもうかがえます。

損害額の内訳(2024年度単年データ)
  • 原状回復費用の平均:61.1万円(累積データでは49.4万円)
  • 遺品整理費用の平均:26.6万円
  • 家賃保証(空室期間の家賃損失)の平均支払額:38.97万円

物価高騰の影響で、前年よりも金額が膨らんでいます(日本少額短期保険協会調べ)。

家主にとって一番怖いのは「家賃が止まること」

家主にとって最も避けたいのは、家賃収入が途切れてしまうことではないでしょうか。孤独死そのものよりも、発見の遅れや、その後の片付け・解約手続きが長引くことのほうが、実際には家主の負担を大きくしています。

同レポートでも、保険金の請求手続きが始まるまでの日数は平均18日、長いケースでは886日かかった例もあると報告されています。身寄りが分からない、相続人が見つからないといった事情で、手続きが止まってしまうことが背景にあります。

死後事務委任という備え――管理会社の最新事例

こうした課題に対応する動きが、賃貸管理業界でも広がりつつあります。埼玉県東松山市を中心に約5,500戸を管理する松堀不動産は、管理物件で孤独死が増えていることを受け、入居者データを分析してリスクの高い属性を把握したうえで、「死後事務委任契約」をセットにする形で高齢者の受け入れを続けていることが報じられました(全国賃貸住宅新聞、2026年8月11日)。同社の管理物件では、2025年に年間11件の孤独死が発生したといいます。

死後事務委任契約とは、入居者本人が元気なうちに、「もしものときは誰が片付けや解約の手続きをするか」をあらかじめ専門家などと契約しておく仕組みです。これがあれば、いざというときに親族と連絡が取れなくても、手続きが止まらずに進められます。なお、賃貸住宅の現場では、入居者に大きな預託金を求めない、より軽い仕組みも使われています。詳しくは「入居者の孤独死が起きたら、家主がまず確認すべき3つのこと」でも解説しています。

これは管理業界向けのニュースですが、オーナーの皆様にとっても他人事ではありません。ご自分の管理会社が、孤独死のリスクに対してどのような備えをしているか、高齢の入居者に対してどのような契約・保険を案内しているか、一度確認してみるとよいでしょう。

家主ができる具体的な備え

  • 孤独死保険への加入:家主が契約する「大家型」は1部屋あたり月数百円程度から、入居者が加入する「入居者型」もあり、原状回復費用や家賃損失の一部をカバーできます。
  • 死後事務委任契約の案内:単身の高齢入居者に、契約時や更新時に案内する管理会社も増えています。
  • 緊急連絡先の複数確保:親族に加え、ケアマネジャーや地域包括支援センターなど、複数の連絡先を把握しておくと、いざというときの対応が早まります。
  • 見守りサービスの活用:電気やガスの使用量、センサーなどで異常を検知するサービスも普及しており、早期発見につながります。

大阪でも一人暮らしの高齢者は増加傾向にあります。入居を断ることでリスクを避けるのではなく、備えを整えたうえで受け入れる、という発想の転換が、これからの空室対策には欠かせません。

また、ご実家や親族の家を相続したものの、何から手をつければよいか分からないという方も少なくないでしょう。特に高齢の親族が長く住んでいた家では、名義変更などの相続手続きと同時に、家財道具の片付けという問題も一緒に降りかかってきます。一人で抱え込まず、早めに地域の事情に詳しい不動産会社へ相談することをおすすめします。

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管理会社との契約内容の確認や管理会社選び・見直しでお悩みのオーナー様はもちろん、ご実家や親族の家を相続したものの何から手をつければよいか分からないという方も、株式会社不動産スペースまでお気軽にお問い合わせください。

株式会社不動産スペース 06-6195-8209

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よくある質問

Q. 孤独死は高齢者の入居者だけの問題ですか?
A. いいえ。統計上、孤独死の46.1%は65歳未満の現役世代であり、幅広い年代に起こりうる問題です(日本少額短期保険協会調べ)。

Q. 孤独死保険には誰が加入するのですか?
A. 家主が契約する「大家型」と、入居者が契約する「入居者型」があり、それぞれ補償内容や保険料が異なります。

Q. 死後事務委任契約とは何ですか?
A. 入居者本人が生前に、亡くなった後の片付けや解約手続きなどを誰に頼むかをあらかじめ契約しておく仕組みです。親族と連絡が取れない場合でも手続きが進められます。

参考

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