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大阪のマンション着工92.8%増、貸家は4.8%減

不動産投資

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

大阪府だけ「マンション急増・貸家減少」の動き

国土交通省が2026年7月31日に発表した建築着工統計調査(2026年6月分)によると、大阪府の分譲マンションの新規着工戸数は前年同月比92.8%増の1,552戸となりました。一方で、賃貸アパートなどの「貸家」の着工は4.8%減の2,055戸にとどまり、同じ大阪府の中でも建物の種類によって正反対の動きが出ています(国土交通省調べ)。

全国・近畿圏は貸家も増加基調

全国で見ると、6月の新設住宅着工戸数は66,344戸で前年同月比18.6%増となり、3か月連続の増加でした。近畿圏全体(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)でも総戸数が12.5%増、貸家も10.0%増えており、近畿全体では貸家も増えているのに、大阪府単体だけは貸家が減っているという、やや珍しい結果になっています(国土交通省調べ)。

大阪府の住宅着工(2026年6月) 戸数 前年同月比
総数5,167戸17.5%増
持家(自分で住む家)827戸15.2%増
貸家(賃貸アパートなど)2,055戸4.8%減
分譲マンション1,552戸92.8%増
分譲一戸建て728戸8.2%増

「分譲マンション」と「賃貸アパート」で真逆の動き

ここでのポイントは、大阪の中でも「分譲マンション」と「賃貸アパート」で、新しく建てられる数の増減が正反対になっているということです。なぜこうした動きになっているのか、日々物件を見ている立場から背景を整理します。

貸家が減っている背景――ワンルーム投資用物件の郊外シフト

貸家(賃貸アパート)の多くは、投資用のワンルームマンションを専門に手がける会社が建てています。こうした会社は、個人投資家に1戸ずつ買ってもらうビジネスのため、販売価格を2,000万円程度、高くても4,000万円程度に収める必要があります。ところが建築費が上がっている今、大阪市内ではこの価格に収まる計画が組みにくくなっており、東大阪市や尼崎市など周辺エリアに新しい計画の重心が移っていると見られます。実際、隣接する兵庫県では貸家の着工が前年比32.7%増と、大阪府とは対照的に大きく伸びています(国土交通省調べ)。

区分マンション投資(マンションの一室だけを買って人に貸す投資)を考えている方は、大阪市内では似た新築物件同士の競争が今後強まる可能性がある一方、周辺エリアでは新しい投資用物件が増えている、という色分けを意識するとよいでしょう。

マンションが増えている背景――タワー化と高価格帯需要

一方、分譲マンションが増えている理由をはっきり示すデータはありませんが、超高層のタワーマンションを建てることで1戸あたりの建築コストを抑えつつ、販売価格の高い部屋を含めて戸数を増やし、事業全体を大きくすることで、上昇する土地の取得コストをまかなう進め方が広がっているとみられます。うめきた2期の「グラングリーン大阪 THE SOUTH RESIDENCE」では、最上階の住戸が1戸40億円で完売したと報じられており(エスリードJOURNAL調べ)、大阪でも高価格帯の部屋が売れる市況になっていることが、こうした開発を後押ししているようです。

すでにアパートなど貸家をお持ちの方や、これから一棟アパートに投資したい方にとっては、大阪府内で新しい賃貸アパートの供給が減っていること自体はプラス材料です。近くに新しいライバル物件が増えにくいため、今の物件でも入居者を確保しやすい状態が続く可能性があります。

ただし、これは単月のデータです。着工戸数が増えたからといって、それがそのまま「儲かる」という意味ではありません。建築費の高騰で1戸あたりの価格が上がっている影響も考えられるため、今後数か月の統計や周辺の家賃相場もあわせて確認しながら判断することをおすすめします。

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区分マンションや一棟アパートへの投資を検討中の方、すでにお持ちの物件の空室対策や賃料設定でお悩みの大阪の家主様、どちらも株式会社不動産スペースまでお気軽にお問い合わせください。
株式会社不動産スペース TEL:06-6195-8209

よくある質問

Q. 大阪でマンション着工が急増しているのはなぜですか?
A. 超高層マンション化で1戸あたりの建築コストを抑えつつ高価格帯の住戸を増やし、上昇する土地取得コストをまかなう動きが背景にあるとみられます。

Q. 賃貸アパートの着工が減っていることは、大家にとって良いことですか?
A. 新しい競合物件が増えにくくなるため、既存の賃貸経営者には空室対策の面でプラスに働く可能性があります。

Q. このデータだけで投資判断をしてもいいですか?
A. 単月データのため、今後の統計や周辺相場もあわせて確認しながら慎重に判断することをおすすめします。

参考

6月着工、3カ月連続増の6.6万戸|創樹社(住宅産業新聞オンライン)
建築着工統計調査報告(令和8年6月分)|国土交通省
大阪のマンション賃料伸び率世界一 半年で3%、ニューヨーク上回る|エスリードJOURNAL

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