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「シェア前提住宅」の問い合わせはシングル向けの3.3倍!大阪のオーナーが空室対策で押さえたい視点

不動産管理

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

ルームシェアができる間取りの部屋(2人以上向け)への問い合わせ数は、一人暮らし向け物件の3.3倍にのぼります。2人でシェアすれば、1人当たりの家賃は月4.3万円も安くなるという調査結果が出ました(LIFULL HOME'S調べ、東京23区対象)。

「反響率」でみる、広がるシェア住まいのニーズ

この調査は、不動産情報サイトを運営するLIFULL HOME'Sが、2022年から2026年3月までの問い合わせデータを比べたものです。「反響率」というのは、物件情報を見た人からどれくらい問い合わせが来たかを示す割合のことです。

住まい方面積の目安1人当たりの家賃目安
一人暮らし20〜25㎡約10.9万円
2人でシェア40〜50㎡約6.6万円(月4.3万円安い)
3人でシェア60〜75㎡約7.5万円(月3.4万円安い)

(LIFULL HOME'S「シェア前提住宅」動向調査より、東京23区・築20〜30年・駅徒歩10分以内の条件で算出)

20年前の大阪にあった「ミングル」という住まい方

実はこうした「みんなでシェアすれば家賃が下がる」という発想は、今に始まったことではありません。筆者が不動産業界に入った20年ほど前、大阪では「ミングル」と呼ばれる住まい方がありました。一つの部屋の中にいくつかの個室があり、キッチンやお風呂、トイレは共同で使うものの、契約自体は入居者一人ひとりが家主と個別に結ぶという仕組みです(同性の単身者向けが基本でした)。特に関西で流行した住まい方で、当時を知る身としては、時代を超えて同じ発想がまた注目されているのを見ると、どこか懐かしい気持ちになります。

この調査は東京23区のデータですが、大阪でも家賃の上昇傾向は続いており(アットホーム調べ)、同じように「一人当たりの負担を抑えたい」という声は今後広がっていく可能性があります。

空室は「相場に合わせて条件を見直す好機」

「入居者が決まらない部屋がある」と気をもんでいるオーナー様は多いのではないでしょうか。空室が続くこと自体は困りますが、家賃・地価が上昇している局面では、空室は「今の相場に合わせて条件を見直す好機」でもあります。単身向けの間取りで決まりにくい部屋も、ルームシェア可という条件を加えるだけで、届く相手の層が広がる可能性があります。

ルームシェア可にする際の注意点
  • 生活音や光熱費の分担をめぐるトラブルが起きやすいため、入居審査の基準づくりが必要
  • 友人同士2人で入居する場合、契約時の審査がどちらか一方の名義だけで通っているケースがある
  • その後に片方が退去すると、残った1人に家賃を払い続ける力があるか分からず、契約者ではない人がそのまま住み続けてしまうリスクもある
  • 対策として入居者全員をそれぞれ審査する方法があるが、その分審査のハードルが上がり入居率が下がるトレードオフ(一方を立てれば一方が犠牲になる関係)がある
  • トラブル時の相談窓口をあらかじめ用意しておくことが重要
  • こうした市場の変化を管理会社が把握し、募集条件の見直しを提案してくれているか確認する

ただし、ルームシェアには思わぬ落とし穴もあります。たとえば友人同士2人で入居する場合、契約時の審査はどちらか一方の名義だけで通っていることがあります。その後、2人の仲が悪くなって片方が退去してしまうと、残った1人に家賃を払い続けるだけの力があるのか分からなくなりますし、契約者ではない人がそのまま住み続けてしまうリスクもあります。対策としては、入居者全員をそれぞれ審査したうえで契約する方法が考えられますが、その分だけ審査のハードルが上がって部屋が決まりにくくなり、入居率が下がってしまうというトレードオフもあります。

こうした入居審査の基準づくりや、トラブル時の窓口をどう用意するかは、管理の実務そのものです。今回のような入居者ニーズの変化は本来、管理会社が把握してオーナーに提案すべき情報です。ご自分の物件を任せている管理会社が、こうした市場の変化にアンテナを張り、募集条件の見直しをきちんと提案してくれているか、一度確認してみるとよいでしょう。

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株式会社不動産スペース 06-6195-8209

よくある質問

Q. ルームシェア可にすると家賃を下げる必要がありますか?
必ずしも下げる必要はありません。1人当たりの負担が軽くなるため、単身向けより高めの家賃設定でも需要が見込める場合があります。

Q. 大阪でもルームシェア需要は増えていますか?
今回のLIFULL HOME'Sの調査データは東京23区が対象で、大阪独自の数値は公表されていません。今後の動向は要確認です。

Q. ルームシェアの入居審査で特に注意すべき点はありますか?
名義人以外の人がそのまま住み続けるケースがあるため、入居者全員を審査対象にする対策が有効ですが、その分審査のハードルが上がり入居率が下がる可能性もあります。

参考

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