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国の新計画が「相続住宅の増加」を初めて明記、大阪の家主が今すぐ確認すべき3つの数字と家族の対話

不動産管理

四谷 義仁

筆者 四谷 義仁

不動産キャリア20年

飲食店専門の不動産会社「株式会社不動産スペース」代表。不動産キャリア20年。大阪・京都・兵庫エリアを中心に、店舗仲介・管理・閉店サポートから収益物件の売買まで手がける。これまで数多くのカフェ・居酒屋・ラーメン店などの開業支援を行い、実際の経営数値や現場課題をもとに"リアルな店舗経営の見える化"を発信中。現場の泥臭さも、数字のシビアさも知る「現実派不動産屋」

国の新指針が「相続住宅の増加」を初めて正面に掲げました

国土交通省は2026年3月27日、今後10年(2026~2035年度)の住宅政策の指針となる「新たな住生活基本計画」を閣議決定しました。単身世帯の増加や生産年齢人口の減少と並んで、「相続住宅の増加」を計画の柱に据えたのが今回の特徴です。放置されて傷んだ空き家は、このままだと増え続ける見通しで、国は2035年度までに「100万戸程度に抑える」という現実的な目標を掲げています(国土交通省調べ)。

「相続住宅」とはどういうことか

「相続住宅」とは、親などが亡くなったときに家族が受け継ぐ住宅のことです。日本ではこれから高齢の方が亡くなる件数が増えていくため、実家や賃貸アパートを相続する人も、今よりずっと増えていくと見込まれています。国はこの流れを「これからの住宅政策で避けて通れない課題」と位置づけました。

具体的な数字を見てみましょう。傷みや壊れが目立つのに使われていない空き家は、2023年時点で90万戸ありました。国はこれを2035年度までに「100万戸程度に抑える」という目標を立てています(国土交通省「新たな住生活基本計画」より)。増やさないというより、増えることを前提に、せめて100万戸以内には抑えたい、という現実的な目標なのです。これは、2026年7月17日に公表された「2026年版国土交通白書」でも住宅分野の重点課題として取り上げられました(住宅産業新聞、2026年8月4日付)。

オーナーの皆様にとって、決して他人事ではありません
この発表は管理会社や国の政策を対象にしたニュースですが、賃貸物件をお持ちのオーナー様にとっても他人事ではありません。ご自分が今お持ちの物件、あるいは将来ご実家を相続する可能性がある方は、「空き家予備軍」にしないための備えが、今まさに問われているといえます。

「相続住宅の増加」を防ぐには、家族の対話も欠かせません

空き家が増える理由は、制度や設備の問題だけではありません。実は「家族の中でうまく話ができていない」ことも、大きな要因のひとつだと感じています。

親御さんが不動産をお持ちでも、お子さんが不動産にまったく関心がない、というご家庭は少なくありません。そうしたご家庭では、相続が起きて急にオーナーになったお子さんが、何から手をつけてよいか分からず困ってしまう、というご相談を私どもも数多くいただいています。

弊社では、家主様が私どもに不動産のお話をされる場に、あえてお子さんにも同席していただくことがあります。ご家族同士だと照れくさかったり、なかなか切り出しにくかったりする「この土地への想い」や「これまでの経緯」も、第三者である管理会社を交えることで、自然と話しやすくなるようです。ご家族だけで直接話そうとすると、お互いに遠慮が先に立ち、なかなか本音が出てこないことがあります。第三者を間に挟むことで、親御さんは安心して想いを語ることができ、お子さんも身構えずに耳を傾けやすくなるのです。

将来の相続や物件の引き継ぎに不安をお持ちの方は、こうした対話の場を設けることも、立派な相続対策のひとつです。数字や制度の話だけでなく、ご家族で話す機会をつくるお手伝いも、私どもにご相談いただけます。

管理会社との付き合い方を見直すヒントになる2つの数字

計画にはもうひとつ気になる数字があります。分譲マンションの管理組合が国から「しっかり管理計画を立てている」と認定を受ける制度がありますが、その認定を取得している管理組合はまだ全体の約3%しかありません。国はこれを2033年度までに20%まで引き上げたい考えです(国土交通省調べ)。また、一戸建てを定期的に点検している所有者の割合は22%にとどまるというデータもあります(同)。

  • 区分マンションをお持ちの方:ご自身の管理組合が「マンション管理計画認定」を取得しているか、取得を目指す動きがあるかを一度確認してみましょう。
  • 一戸建て・小規模アパートをお持ちの方:管理会社が計画的な点検や修繕の提案をきちんと行ってくれているか、契約内容を見直す良い機会かもしれません。

管理が行き届いていない物件は、入居者が決まりにくくなるだけでなく、将来相続する家族にとっても大きな負担になりかねません。賃料収入が途切れず安定して入ってくることこそ、オーナー様にとって最も大切な関心事だと思います。そのためには、目の前の入居率だけでなく、10年先を見据えた計画的な維持管理が欠かせません。

表:新たな住生活基本計画に盛り込まれた主な数値目標

指標 現状 目標年度・目標値
腐朽・破損がある使用目的のない空き家数 90万戸(2023年) 2035年度に100万戸程度に抑制
マンション管理計画認定の取得割合 約3%(2024年) 2033年度に20%
戸建住宅を定期的に点検する所有者の割合 22%(2023年) 継続的な向上を注視
既存住宅取引・リフォームの市場規模 16.9兆円(2023年) 2035年度に20兆円

(出典:国土交通省「新たな住生活基本計画(全国計画)」2026年3月27日閣議決定)

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管理会社との契約内容の確認や、管理会社選び・見直しでお悩みのオーナー様、ご家族への物件の引き継ぎ方や相続に向けた話し合いの場をお探しの方も、株式会社不動産スペースまでお気軽にお問い合わせください。

株式会社不動産スペース TEL:06-6195-8209

よくある質問

Q. 「相続住宅の増加」は自分にはまだ関係ないと思ってよいですか?
A. 国が今後10年の住宅政策の柱に据えた課題です。将来の相続に備え、早めの管理体制の点検をおすすめします。

Q. マンション管理計画認定を取得していないと問題がありますか?
A. 直ちに問題があるわけではありませんが、認定は管理状況の良さを客観的に示す目安になります。

Q. 空き家を増やさないために、オーナーができることは何ですか?
A. 定期点検や計画的な修繕、管理会社との情報共有を続けることが、放置空き家化を防ぐ第一歩です。

Q. 子どもが不動産に関心を持ってくれません。どうすればよいですか?
A. 直接話しにくいことも、管理会社など第三者を交えると話しやすくなる場合があります。同席の場をつくるのも一つの方法です。

参考

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