
54年間、家賃を払い続けてもらえた理由―大阪・中津の名物カフェ閉店に見る「長く借りてもらえる物件」の条件
54年間、家賃を払い続けてもらえた物件
家主にとって一番の心配事は、家賃の金額そのものより「空室が続くこと」だと感じている方は多いのではないでしょうか。大阪市北区中津の老舗インドカフェ「カンテグランデ中津本店」が、2026年8月23日をもって54年の歴史に幕を下ろします(関西ニューオープン情報調べ、2026年7月24日発表)。地下1階という条件でも半世紀以上にわたって家賃を払い続けてもらえたこの物件から、家主が長く借りてもらえる関係を築くヒントを考えます。
カンテグランデ中津本店は1972年創業。Osaka Metro御堂筋線・中津駅から徒歩約5分の場所にあり、地下に広がる緑あふれる空間と本格チャイ、スパイスカレーで知られてきました。閉店の理由は公式には発表されていませんが、50年を超えて同じ物件で営業を続けてきたこと自体、家主・借主の双方にとって価値のある関係が長く続いた証といえます。
賃貸経営で本当に怖いのは「家賃の安さ」より「空室期間」
賃貸経営で本当に怖いのは、実は家賃の安さではなく「空室期間」です。テナントが退去すれば、次の借主が決まるまで家賃収入はゼロになり、そのうえ募集の広告費や仲介手数料もかかります。多少家賃を抑えてでも長く入居してもらえるテナントとの関係を保つ方が、数年単位で見ると手取りの収益は安定しやすいのです。
- 駅近など、地下や変形地といった不利な条件を補って余りある立地の強さ
- 防水・空調など、老朽化する前の計画的な設備更新
- 家賃を短期的に最大化しない、適正水準の維持
家主が今日からできる工夫
家主が今日からできる工夫としては、家賃を短期的に最大化しようとせず適正な水準を保つこと、設備の点検・更新を後回しにしないこと、そしてテナントと日頃からコミュニケーションを取り、困りごとを早めに把握することが挙げられます。もちろん、いずれ次の借主を探すタイミングが来れば、そのときの相場を踏まえた条件整理も必要になりますが、それ以上に大切なのは、次のテナントとも最初から長く付き合っていく関係を意識することです。
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よくある質問
Q1. 家主にとって、家賃を高く取ることと長く入居してもらうことでは、どちらが得ですか?
A1. 一概には言えませんが、空室期間中は家賃収入がゼロになるうえ、募集の広告費や仲介手数料もかかります。多少家賃を抑えてでも長く入居してもらう方が、結果的に収益が安定するケースは少なくありません。
Q2. 地下1階の物件でも長期入居してもらうことは可能ですか?
A2. 可能です。今回の事例のように、駅からの近さなど立地条件が良ければ、地下でも50年以上にわたって愛される店になり得ます。
Q3. テナントに長く入居してもらうために、家主にできることはありますか?
A3. 設備の点検・更新投資を怠らないこと、家賃を短期的に最大化しようとせず適正な水準を保つこと、日頃のコミュニケーションを大切にすることが挙げられます。
