
相続税の「駆け込み節税」に歯止め―賃貸物件の評価ルールが変わり、2027年1月から適用
なぜ賃貸物件が「相続税対策」になってきたのか
2027年1月から、亡くなる5年以内に買ったり建てたりした賃貸物件は、相続税を計算するときに今までのような大幅な評価引き下げが使えなくなります。これは2026年3月31日に成立した税制改正の法律に盛り込まれた内容で、相続税を減らす目的で駆け込み的に賃貸物件を買う「節税スキーム」にブレーキをかけるものです(財務省・令和8年度税制改正)。
相続税とは、亡くなった方の財産を家族が受け継ぐときにかかる税金です。同じ1億円の財産でも、現金で持っているより、賃貸マンションやアパートに換えたほうが、税金を計算するときの評価額が下がる仕組みになっています。人に貸している建物や土地は、自由に使えない分、税金の計算上は価値が低く見積もられるからです。この仕組みを利用して、亡くなる直前に賃貸物件を購入し、相続税の評価額を大きく下げる「駆け込み節税」が広がっていました。
何が変わるのか
亡くなる5年以内に取得・新築した賃貸物件は、これまでのように大きく評価を下げるのではなく、購入したときの金額をもとに、その後の地価の変動などを考慮した金額の8割程度で評価されることになります。適用は2027年1月1日以後に発生する相続・贈与からで、取得・新築から5年を超えた物件は、これまでどおりの評価方法が使えます。
つまり、直前に買っても、以前ほどの節税効果は得られなくなるということです。
サラリーマン投資家が今知っておくべきこと
「相続対策として不動産を買えば、税金が安くなる」という単純な発想は、2027年以降は通用しにくくなります。将来、ご自身やご家族の相続に備えて不動産投資を検討している方は、いつ、どんな物件を買うかによって、税金面での効果が大きく変わってくることを理解しておく必要があります。
- 相続が近づいてから慌てて物件を購入するようなやり方は、今後はねらった効果を得にくくなります。
- すでに5年を超えて所有している賃貸物件は、今回の改正の対象外です。
- 相続税の具体的な計算方法や、ご自身のケースにどう影響するかは、財産の内容や家族構成によって大きく異なります。
正確な試算については、税理士など専門家に相談することをおすすめします。
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よくある質問
Q. 賃貸物件を持っていると、なぜ相続税が安くなるのですか?
A. 人に貸している不動産は自由に使えない分、税金の計算上の評価額が現金より低く見積もられる仕組みになっているためです。
Q. 今回のルール変更はいつから適用されますか?
A. 2027年1月1日以後に発生する相続・贈与から適用されます。取得・新築から5年を超えた物件は対象外です。
Q. すでに5年以上前から持っている賃貸物件はどうなりますか?
A. 今回の改正の対象外で、これまでどおりの評価方法が使えます。
参考
※相続税評価の具体的な計算方法は個別の状況により異なります。最新の制度内容や適用可否は、税理士または国税庁の発表でご確認ください。
