
大阪市の新築マンション、価格2.9%下落のウラに「㎡単価上昇の罠」【2026年上半期】近畿マンション市場を解説
大阪市の新築マンションは本当に「値下がり」したのか
大阪市の新築分譲マンションは2026年上半期、平均価格が前年より2.9%下がって4,813万円になりました(不動産経済研究所調べ)。ただし喜ぶのはまだ早いです。1平方メートルあたりの値段はむしろ0.2%上がっており、「安くなった」のではなく「部屋が小さくなった」だけの可能性があります。サラリーマン投資家の方は、見出しの数字だけで判断しないよう気をつけてください。
近畿圏全体は「9年連続」で㎡単価が上昇中
株式会社不動産経済研究所が2026年7月21日に発表した調査によると、近畿2府4県(大阪・兵庫・京都・奈良・滋賀・和歌山)の新築分譲マンションの2026年上半期(1〜6月)の平均価格は5,453万円で、前年同期より5.7%上がりました(不動産経済研究所調べ)。1戸あたりの価格が上がったのは2年ぶりのことです。
部屋の広さ1平方メートルあたりの値段のことです。同じ1億円の部屋でも、80平米なら1平米あたり125万円、60平米なら約167万円になります。つまり、部屋が狭くなるほど㎡単価は上がりやすい仕組みです。
近畿圏の㎡単価は98万円で前年より2.1%上昇し、1973年に調査が始まって以来、上半期としては6年連続で過去最高を更新しました(不動産経済研究所調べ)。しかも㎡単価はこれで9年連続の上昇です。
大阪市は「安くなった」ように見えるが中身は逆
ここで大阪市だけを見てみましょう。
| 地域 | 平均価格 | 前年比 | ㎡単価 | 発売戸数 | 契約率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 大阪市 | 4,813万円 | ▲2.9% | 115.9万円(+0.2%) | 2,773戸(+15.5%) | 79.2% |
| 大阪府下(市外) | 5,501万円 | +11.1% | ― | 1,976戸(+33.1%) | 65.3% |
| 近畿圏全体 | 5,453万円 | +5.7% | 98万円(+2.1%) | 7,329戸(+3.8%) | 71.7% |
(出典:いずれも不動産経済研究所「近畿圏 新築分譲マンション市場動向」2026年7月21日発表)
大阪市の平均価格だけを見ると「値下がりして買いやすくなった」と感じるかもしれません。しかし㎡単価はわずかながら上がっているため、実際には「一部屋あたりの面積が小さくなったことで、平均価格が下がって見えている」だけの可能性が高いのです。狭い部屋を選べば当然、家賃も入居者の選択肢も限られてきます。副業として区分マンション投資を考えている方は、平均価格の増減だけでなく、㎡単価と部屋の専有面積を必ず確認してください。
契約率の低下は「売れ行き鈍化」のサイン
もう一つのポイントが「契約率」です。契約率とは、その月に売り出された部屋のうち、実際に契約が決まった割合のことです。一般的に70%を超えると「好調」とされます。
2026年上半期の近畿圏の平均初月契約率は71.7%で、前年同期の77.1%より下がりました(不動産経済研究所調べ)。それでも70%台を3年連続でキープしてはいますが、6月単月では62.8%まで落ち込んでいます。特に大阪府下(大阪市以外)は発売戸数が前年より33.1%も増えた一方で契約率は65.3%にとどまり、供給が需要を上回りつつあるエリアがあることを示しています。
- 契約率が高いほど、その部屋・エリアの人気が高いサイン
- 供給戸数が急増しているのに契約率が下がっているエリアは要注意
- 投資用物件の供給は24物件・2,140戸で前年(37物件・2,443戸)より減少
なお、投資用物件(ワンルームなど)の供給は24物件・2,140戸で、前年の37物件・2,443戸から減少しました(不動産経済研究所調べ)。件数・戸数ともに減っていることから、供給側も投資用マンションの出しすぎには慎重になっている様子がうかがえます。
サラリーマン投資家にとって大切なのは、「価格が下がったから買い時」ではなく、「なぜ下がったのか」「その物件のあるエリアは契約率が高いか低いか」を確認することです。契約率が低いエリアで新築を購入すると、将来売却するときにも同じように売れ残りやすい可能性があります。
06-6195-8209
よくある質問
Q. ㎡単価が上がっているのに平均価格が下がるのはなぜですか?
A. 部屋の専有面積が小さくなっているためです。同じ値段でも面積が狭くなれば、1戸あたりの価格は下がって見えます。
Q. 契約率が低いとどんなリスクがありますか?
A. 売れ残りが増え、将来売却するときにも買い手がつきにくくなる可能性があります(不動産経済研究所調べ)。
Q. 投資用マンションの供給が減っているのはなぜですか?
A. 明確な理由は公表されていませんが、供給戸数・物件数ともに前年より減少しており、売り手側が需要を見極めながら慎重に供給している可能性があります(不動産経済研究所調べ)。
