
【2026年最新】賃貸管理業118社に是正指導!最多違反「書面交付」62件から学ぶ点検ポイント
何が起きたのか——立入検査の中身
国土交通省は令和7年度、全国168の賃貸住宅管理業者・サブリース業者に立入検査を行い、7割にあたる118社に是正指導を行ったと発表しました(国土交通省調べ、令和8年6月5日公表)。最も多かった違反は、契約時に交付すべき書面の記載不備で62件にのぼります。
国土交通省は「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」に基づき、賃貸住宅管理業者とサブリース業者(自分では物件を持たず、オーナーから借りた物件をさらに入居者に貸す事業者)に対して、毎年立入検査を行っています。令和7年度は全国168社を検査し、118社に是正指導を行いました。前年度(187社検査・127社是正)と比べると検査数・是正数はやや減ったものの、依然として検査対象の7割が何らかの是正指導を受けている状況です(国土交通省調べ)。すでに118社すべてで是正が確認されています。
指導内容を件数の多い順に並べると、次のようになります。
| 違反の種類 | 件数 | 内容の一例 |
|---|---|---|
| 契約締結時の書面交付義務違反 | 62件 | 登録番号や管理業務の実施方法など、法定記載事項の不備 |
| 契約締結前の重要事項説明義務違反 | 43件 | 契約前に説明すべき内容の説明不足・書面の記載不備 |
| 帳簿の備付け義務違反 | 32件 | 契約年月日の未記載など、帳簿の作成・整理の不備 |
| サブリース業者の書類閲覧義務違反 | 23件 | 業務状況をまとめた書類の未作成 |
| 従業者証明書の携帯義務違反 | 22件 | 証明書の未作成・不携帯 |
| オーナーへの定期報告義務違反 | 17件 | 報告書の一部未作成、報告そのものの未実施 |
(国土交通省「【概要版】賃貸住宅管理業者等への全国立入検査結果(令和7年度)」より作成)
なぜこの数字が管理会社にとって重要なのか
- 重要事項説明:契約を結ぶ前に、オーナーへ管理内容をきちんと説明すること
- 書面交付:契約の内容を紙(または電子データ)で渡すこと
どちらも難しい言葉に聞こえますが、要はオーナーに対して「何を、いつ、いくらで管理するのか」を後で言った言わないにならないよう、きちんと形に残しておく義務のことです。
この一斉点検で見えてくるのは、悪質な業者ばかりが指導を受けているわけではないという点です。むしろ、日々の業務のなかで書面の一項目が抜けていた、報告のタイミングが遅れていた、といった「うっかり」の積み重ねが多くを占めています。裏を返せば、社内のチェック体制を少し見直すだけで防げる違反がほとんどだということです。
管理会社にとって本当に大切なのは、入居率を上げること自体ではなく、オーナーの賃料収入が安定して途切れないようにすることです。書面や報告の不備は一見地味な問題に見えますが、これが積み重なるとオーナーからの信頼を失い、管理受託契約の解除につながりかねません。法令遵守はオーナーとの信頼関係、ひいては管理戸数の維持そのものに直結する経営課題だと言えます。
大阪の管理会社が今できること
今回の発表は全国集計ですが、大阪でも状況は変わりません。むしろ大阪は近年、賃貸住宅管理業法そのものの見直しが議論されるなど、制度面での変化が続いているエリアです。契約書のひな型が古いまま更新されていないか、重要事項説明のチェックリストが最新の法定記載事項に対応しているか、この機会に一度点検してみることをおすすめします。
よくある質問
Q. 立入検査で是正指導を受けると、どうなりますか?
A. 国土交通省の指導に従って是正を行い、改善したことを報告します。今回の118社はすべて是正が確認されています(国土交通省調べ)。
Q. 最も多い違反はどのようなものですか?
A. 契約締結時に交付すべき書面の記載不備で、62件と最多でした。登録番号や管理業務の実施方法などの記載漏れが多く見られます。
Q. サブリース業者にも同じ検査が行われますか?
A. はい。今回の168社のうち57社は管理業とサブリース業を兼業しており、書類閲覧義務など別の項目でも指導が行われています。
参考
・報道発表資料:賃貸住宅管理業者及び特定転貸事業者への全国立入検査結果(令和7年度)について|国土交通省
・【国土交通省】令和7年度 賃貸住宅管理業立入検査結果を公表|公益財団法人日本賃貸住宅管理協会
