
【2026年7月】食品値上げ2566品目!飲食店の「家賃を払い続ける力」を家主が見極める方法
食品値上げ、なぜここまで続くのか
帝国データバンクの調査により、2026年7月だけで食品2566品目が値上げされたことが分かりました(帝国データバンク調べ)。年間では2万品目規模の値上げラッシュになる見通しで、飲食店の仕入れコストはこの夏以降もさらに重くなります。「うちのテナントは大丈夫だろうか」と気になっている家主さんも多いのではないでしょうか。
帝国データバンクが主要食品メーカー195社を調べたところ、2026年7月の値上げ品目数は2566品目、値上げ1回あたりの平均値上げ率は11%にのぼりました(帝国データバンク調べ)。7月としては2023年に次いで多い水準です。
背景にあるのは、中東情勢の悪化です。石油の通り道であるホルムズ海峡が混乱したことで、原油や、プラスチック製品の原料になる「ナフサ」の価格が上がりました。飲食店が使う食品トレーやフィルムなどの容器包装も、このナフサから作られています。つまり、遠い中東の出来事が、テナントである飲食店の原価を通じて、家主さんの家賃収入にもじわじわ影響してくるということです。
- 原材料高:92.5%
- 物流費:71.9%
- 包装・資材:69.8%
- 中東情勢を直接の理由に挙げたもの:24.7%
2026年の値上げ品目数は、1月から11月までに判明している分だけで1万4902品目です。これは調査を始めた2022年以降5年連続で「年間1万品目超え」となり、これまで最も少なかった2024年(1万2520品目)をすでに上回っています(帝国データバンク調べ)。8月以降も値上げは収まらず、年間では前年並みの2万品目規模になる見込みです。
| 月 | 値上げ品目数(判明分) |
|---|---|
| 2026年4月 | 2838品目 |
| 2026年7月 | 2566品目 |
| 2026年8月(見込み) | 1898品目 |
| 2026年9月(見込み) | 3029品目 |
(帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査―2026年7月より作成)
大阪の飲食店もこの値上げの波と無縁ではありません。すでに大阪では今年上半期の飲食店倒産が過去最多を更新したという報道もあり、原価と人件費の両方が重くのしかかる状況です。ただし、値上げそのものは経営が傾いているサインではありません。大切なのは、値上げした分をメニュー価格にきちんと転嫁できているお店かどうかを、家主さん自身が見極める視点を持つことです。
家主が今、見ておきたい3つの視点
家主さんにとって一番の関心事は、「家賃が途切れずに入り続けること」ではないでしょうか。原価高が続く今だからこそ、次のテナント選びや今のテナントとの付き合い方で見るべきポイントを整理しました。
テナントが退去するとき、その理由が「人件費や原価の高騰」といった業界全体の構造的な問題であれば、それは立地や物件の問題ではありません。むしろ地価や家賃相場が上がっている局面では、退去は家賃を今の相場に見直す良い機会にもなります。
次の借り主を選ぶときに本当に大事なのは、「前のテナントがなぜ辞めたか」を掘り下げることよりも、新しい借り主がこの原価高・人件費高の環境でも、家賃を払い続けられるだけの資金力と事業計画を持っているかどうかです。開業資金に余裕があるか、複数店舗を運営して経営基盤が安定しているか、といった点を確認することが、空室期間を減らす一番の近道になります。また、ガスの容量や水道・排水量など、飲食店特有の設備要件が整っているかどうかも、次のテナントを呼び込めるかを左右します。立地が良ければテナント側が設備費用を負担してでも入居しますが、立地が弱い物件では家主側のインフラ整備が入居率を左右する鍵になります。
家賃を滞納しがちなテナントほど、退去すると原状回復費用がかかるために解約を渋り、居座ってしまうことがあります。この場合、内装や厨房設備をそのまま次のテナントに引き継ぐ「居抜き」で契約すれば、原状回復の負担を抑えつつ家賃が途切れる期間を短くできます。ただし、飲食店同士でも火力や換気能力といった設備の仕様は店ごとに違うため、引き継ぐ前に新しい借り主の業態に設備が合っているかを必ず確認しておきましょう。
よくある質問
Q. 食品の値上げは今後も続きますか?
A. 帝国データバンクの調査では、2026年内は値上げが続き、年間では前年並みの2万品目規模になる見通しです(帝国データバンク調べ)。
Q. 原価高騰が理由でテナントが退去する場合、物件に問題があるのでしょうか?
A. 人件費や原価高騰は業界全体の構造的な要因であり、必ずしも立地や物件側の問題ではありません。むしろ家賃を相場に見直す機会と捉えることができます。
Q. 家賃滞納が続くテナントが退去を渋る場合、家主はどうすればよいですか?
A. 内装・設備をそのまま引き継ぐ「居抜き」契約にすれば、原状回復費用の負担を抑えつつ家賃が途切れる期間を短くできます。ただし設備の適合性は事前確認が必要です。
参考
・「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年7月|株式会社帝国データバンク
・7月の食品値上げ2566品目―帝国データの食品195社調査|nippon.com
