
【2026年最新】飲食店倒産が上半期最多509件!近畿が全国トップ169件——居抜き物件で家主が失敗しないための注意点
2026年上半期、飲食店の倒産が過去最多の509件に
2026年1〜6月に倒産した飲食店は509件で、1997年以降の30年間でもっとも多くなりました(東京商工リサーチ調べ)。都道府県別では近畿地方が169件でもっとも多く、全体の3割以上を占めています。飲食店の入れ替わりが激しくなっているいま、貸店舗のオーナーにはこれまで以上に「テナントの見極め」が大切になっています。
- 2026年上半期の飲食店倒産:509件(過去最多、東京商工リサーチ調べ)
- 「人手不足」による倒産:前年同期比2.2倍に急増
- 近畿地方の倒産件数:169件(全国最多)
倒産が増えている理由は、材料費や人件費、電気代などのコストが上がり続けていることです。値上げをすればお客さんが離れてしまう、値上げをしなければ赤字が続く。そんな板挟みの状態にある小さな飲食店が、体力を失って店を畳んでいるのです。
業種別に見る倒産の内訳
| 業種 | 倒産件数(2026年上半期) | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 居酒屋 | 118件 | 31.1%増 |
| ラーメン店 | 36件 | 44.0%増 |
| 日本料理店 | 36件 | 20.0%増 |
| 焼肉店 | 26件 | 8.3%増 |
「居抜き物件」とは
居抜き物件とは、前のお店が使っていた厨房機器や壁・床などをそのまま次の借り主が使える状態の物件のことです。新しく開業する人にとっては、内装工事の費用を大きく減らせるという魅力があります。
こうした倒産で空いた店舗は、居抜き物件として市場に出てくることが多くなります。
「前のテナントがなぜ辞めたのか」よりも、「賃料収入が途切れず、安定して入ってくること」の方がよほど大事だ。そう感じている家主さんは多いのではないでしょうか。人件費高騰や物価高といった飲食業界全体の構造的な要因での撤退であれば、立地や物件そのものの問題とは言い切れません。
具体的に何をすればよいか
- 空室期間をできるだけ長引かせない
- 地価・家賃相場が上昇している局面では、退去を「家賃を今の相場に見直す好機」として活かす
- 次の借り主が、人件費高騰・物価高が続く環境でも家賃を払い続けられる資金力や事業計画を持っているか確認する
大阪のようにミナミ・キタの地価上昇が続くエリアでは、退去後に以前より高い家賃で再募集できる場合もあります。
解約してもらえないテナントには「居抜き」という解決策も
家賃の支払いが滞りがちなテナントほど、なかなか解約を切り出さないという事情があります。理由は、解約すると原状回復(借りた時の状態に元通り戻す工事)の費用がかかるためです。家賃を滞納していても、解約さえしなければその費用を払わずに済むと考え、居座ってしまうケースが少なくありません。家主にとっては、家賃の遅れが続くよりも、解約してもらえる方がまだ傷が浅いとも言えます。
こうした場面で有効なのが、居抜きのまま次のテナントに引き継ぐという選択肢です。厨房設備を残したまま解約してもらえれば、テナント側は原状回復費用の負担が軽くなり、解約に応じてもらいやすくなります。家主側も、家賃が途切れる期間を最小限に抑えられ、資産を守ることにつながります。次に入る飲食店にとっても内装工事の費用を抑えられるため、双方にとって都合の良い着地点になりやすいのです。
注意点:同じ飲食店同士だからといって、設備がそのまま流用できるとは限りません。前のお店と次のお店で必要な火力や換気の能力が大きく異なり、トラブルになるケースも少なくありません。居抜きでテナントを引き継ぐ際は、設備の適合性を知識豊富な不動産会社に確認してもらうことをおすすめします。
次に飲食店を呼べるかは「建物のインフラ」次第
家賃を高く取りやすい飲食店を次に入れられるかどうかは、建物側の設備(インフラ)の容量によって大きく左右されます。
- ガス容量:飲食店は強い火力を使うため、ガス管の太さが足りないと大きな厨房設備は入れられません
- 水道量:大量の調理・洗浄用の水をまかなえるかがポイントになります
- 排水量:油や生ごみを流せる量には上限があり、排水設備の容量が入居できる業態を左右します
立地が良い一等地であれば、こうした設備工事の費用をテナント側(借主)が自己負担してでも入居したいと考えてくれます。一方、立地の弱い物件では、あらかじめ家主側がインフラを整えておくことが、次のテナント付けを有利に進める鍵になります。
下駄履きマンションの注意点
1階が店舗で2階より上が住居になっている建物(下駄履きマンションと呼ばれます)では、調理の煙やにおいを外に出す排気・排煙設備が、上階の住民とのトラブルにつながりやすい点にも注意が必要です。この工事費用は一般的にテナント側が負担するため、入居条件として「排気・排煙設備の設置はテナント負担」と明記しておくとよいでしょう。ただし高層階のマンションでは、排気ダクトを高い階まで通す工事になる分コストが大きく膨らみ、その負担の重さから逆にテナントがつきにくくなる点は留意しておく必要があります。
飲食店経営者が居抜き物件を借りる前に確認すべきこと
- 前の店が閉店した理由
- 厨房設備の使用年数と状態
- 周辺の競合店の状況
飲食店経営者の側も、居抜き物件は「安く始められる」だけで飛びつかず、なぜ前の店が閉店したのかを大家や仲介会社に必ず確認しましょう。
設備の適合性の見極めや解約交渉など、居抜き活用には専門的な判断が必要な場面が多くあります。大阪市内で飲食店向け貸店舗を専門に扱う株式会社不動産スペースでは、居抜き物件の設備確認やテナント選定のご相談を承っております。お気軽に06-6195-8209までお問い合わせください。
大阪の飲食店市場でも要注意
大阪はミナミやキタなど飲食店の集積が特に濃いエリアが多く、テナントの回転も全国平均より速い傾向があります。空室期間を長引かせないためにも、日頃から地域の飲食店動向にアンテナを張っておくことが大切です。
よくある質問
Q. 居抜き物件とは何ですか?
A. 前に営業していた店の厨房設備や内装がそのまま残っている物件のことです。工事費を抑えて開業できる一方、設備の状態確認は欠かせません。
Q. 飲食店の倒産が増えると、家主にはどんな影響がありますか?
A. 空室リスクはありますが、家賃相場が上がっているエリアでは退去後に家賃を見直す好機にもなります。前テナントの撤退理由より、新しい借り主の支払い能力を確認することが重要です。
Q. 居抜き物件を借りるとき、飲食店経営者が確認すべきことは?
A. 前の店の閉店理由、設備の使用年数、周辺の競合店の状況です。安さだけで決めず、立地とのバランスを見極めましょう。
