
【AI試算】店主の人件費30万円・初期費用500万円カフェの収支モデルと公庫返済シミュレーション
はじめに
前回の記事では「大阪市内・家賃15万円・10坪カフェ」の収支モデルをAIで分析しました。
今回はさらに一歩踏み込み、店主が月30万円の報酬を取る場合の現実的な収支を試算します。
初期費用500万円を日本政策金融公庫(以下、公庫)で借入し、**5年返済(年利2.5%)**と仮定。
リアルなカフェ経営の資金繰りと採算ラインを、AIが数字で可視化します。
想定条件(大阪市内・駅徒歩7分の10坪カフェ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 立地 | 大阪市内(駅徒歩7分) |
| 広さ | 約10坪(約33㎡) |
| 席数 | 約18席 |
| 家賃 | 月15万円(税込) |
| 営業日数 | 月25日 |
| 営業時間 | 8:00〜18:00(10時間) |
| 客単価 | 800円(ドリンク+軽食) |
| 回転率 | 1.8回転 |
| 店主報酬 | 30万円 |
| アルバイト費 | 8万円 |
| 原価率 | 約28% |
| 光熱費 | 売上の6%前後 |
| 雑費・広告・保険等 | 約35,000円 |
| 初期費用総額 | 500万円 |
| 融資条件 | 公庫借入500万円/年利2.5%/5年返済(60回) |
月間収支モデル(AI試算)
売上
18席 × 1.8回転 × 800円 × 25日 = 648,000円/月
経費
-
家賃:150,000円
-
店主報酬:300,000円
-
アルバイト:80,000円
-
仕入・原価:180,000円(原価率28%)
-
光熱費:38,000円(売上の6%)
-
雑費・広告・保険:35,000円
合計:783,000円
損益
-
売上:648,000円
-
経費:783,000円
➡ 営業利益:▲135,000円(赤字)
公庫融資(500万円)の返済シミュレーション

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 借入金額 | 5,000,000円 |
| 返済期間 | 5年(60回) |
| 金利 | 年2.5% |
| 月々の返済額 | 約89,000円 |
| 総返済額 | 約5,340,000円(利息約34万円) |
融資返済を含めたキャッシュフロー
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月間売上 | 648,000円 |
| 経費合計 | 783,000円 |
| 公庫返済 | 89,000円 |
| 実質キャッシュフロー | ▲224,000円/月 |
➡ 開業初期の現金流出は毎月約22万円。
この状態を5年続けると、累計で約1300万円の資金が必要になります。
☕ 黒字化に向けた改善ポイント
① 売上を90〜100万円に引き上げる
-
客単価900〜950円
-
回転率2.0回転
→ 売上約95万円でトントンラインに到達。
② 自己資金を一部投入
-
借入400万円なら返済額は約71,000円。
→ 月赤字▲22万円 → ▲3万円に圧縮。
③ 返済期間を7年に延長
-
月返済額 約64,000円に減少。
→ 年間キャッシュ余力 約30万円増。
④ 店主報酬を20万円からスタート
-
開業初期は無理に満額を取らず、安定期に段階的アップ。
投資回収のリアル
-
返済5年間は「利益=返済原資」で手残りゼロが基本。
-
毎月10万円の黒字で約4年2か月で回収。
-
毎月20万円の黒字なら約2年1か月で回収可能。
まとめ
AI試算の結果、
公庫融資500万円でカフェを開業する場合、
月90〜100万円の売上が黒字化の目安となりました。
売上65万円では返済負担に耐えられず、
「店主報酬30万円」を確保するには売上1.5倍の改善が必要です。
つまり、カフェ経営を成功させるには
集客・単価・回転率の三本柱を徹底することが重要です。
私の感想
AIで公庫返済まで含めて試算してみると、
「経営は利益よりもキャッシュフローが大事」という現実を痛感します。
売上を上げても返済に吸われる——これが多くのカフェ経営者のリアルな悩みです。
正直、マジで下手なコンサルなんて必要ない時代。
AIがこれだけ的確にアドバイスを出してくれる。
あとは、それを愚直に・愛想よく実行できるかがカギ。
次回は、黒字化できる売上構造と損益分岐点をAIで可視化していきます。
